物語学の森 Blog版 『柳井滋の源氏学 平安文学の思想』
FC2ブログ
『柳井滋の源氏学 平安文学の思想』
2019-05-23 Thu 05:50


 解説を書いた松岡さんから拝領。事前に購入をお願いしたものの、届いたのは「謹呈」の短冊。こころして拝読します。

 結果的に直接お会いしてお話しする機会は得られなかったが、室伏先生と大島本の本文校訂をなさっていたことから、お仕事ぶりはつぶさに伺っていたものだった。大島本の版権を角川が持っていた関係で、講演や取材等は角川との関わりが深い室伏先生にスポットが当たることが多く、柳井先生のお仕事は忘れられがちではあるが、池田文献学の学統を守り、信頼できる本文を提供してくださった功績は不滅である。ただし、その新大系所収の二本の論文「大島本『源氏物語』の書写と伝来」「大島本初音の本文について」が未収録なのは残念ではあるが、新大系を持っていない源氏学者はいないから、手に取ることは容易であろう。そして、この二本は源氏学者なら必ず参照しなければならない論文であることを強調したい。

 まだ新大系の『源氏物語』が出始めた頃だろうか、私は東洋大学の阿仏尼本帚木巻を調べて報告したところ、ある先輩女性研究者から、「柳井先生が『上原君存じています』と仰っていたわよ」と伝えられ、吃驚したことを覚えている。今、大詰めの『古典文学の常識を疑うⅡ』の拙文は、柳井先生の「秋好と目連」を必読文献としてあげてある。また、先生最後の講演録「陽成院の御笛-「横笛」と「宿木」の間」は『源氏物語』を貫く音の継承を論じたもので、これもまた必読である。

 まだまだ書き足りないが、ともあれ今日はここまで。
別窓 | 右書左琴の巻 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
<<乾 澄子著『源氏物語の表現と展開—寝覚・狭衣の世界』 | 物語学の森 Blog版 | 青木慎一著『源氏物語の表現と絵画的展開ー夕霧を中心に』 >>
 
 
 
 
 
 
  管理者だけに閲覧
 

トラックバックURL

FC2ブログユーザー専用トラックバックURLはこちら
| 物語学の森 Blog版 |