物語学の森 Blog版 塩田良平『おゆき抄』とテレビドラマ
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塩田良平『おゆき抄』とテレビドラマ
2019-03-07 Thu 07:47
 池田亀鑑の『紫式部学会』を支えた歌人の今井邦子を調べていたら、塩田良平(1899-1971)の信州の家が、今井邸だったと知る。これにも驚いたが、名文家の塩田のエッセイ『おゆき』、『おゆき抄』が何度もドラマ・映画化されていたことにはさらに驚く。このことを知る人は、私の世代ではほとんどいないからである。塩田良平も池田亀鑑と同じく、旧制高校出身ではなかったため(塩田は東工大の前身学校を経て東大選科修了、本科卒業試験合格、池田亀鑑は本科入学試験合格者)、気があったのだろう。漢学塾・二松学舎の国文科補強のため、池田亀鑑と森本治吉を誘ったのは塩田本人であった。

  戦災孤児として塩田家に引き取られ、家事手伝いをしていた「裕紀子」、通称「おゆき」が、やがて塩田家の養女となり、書生だった男(川田・仮名)と結婚したという実話である。
 私が大学生の時、この結婚相手の書生(山田昭全1929-2014)は、当時下宿していた上池袋の至近の大学教授となっており、私も大学4年の時、大学院の入学願書を取り寄せたことがあった。この願書を自転車を飛ばして入手してきてくれたのは、同じ下宿で、現在、東北芸術工科大学常務理事の野村君。そういえば、大学院特別講義で、当時、岩波新大系注釈執筆中だった『宝物集』の諸本研究についての山田昭全教授の講演があり、稀少な博士課程在籍者だった私が質問役だったことを思い出した。

 なお、劇中にも登場する塩田良平の息子は樋口一葉の妹・邦子の孫と結婚、娘の苓子も邦子の長男・悦の子、やはり孫にあたる陽に嫁いでおり、塩田良平が一葉研究のパイオニアであり、また一葉の自筆資料が残っているのも、塩田がいたからである。

ドラマ・映画一覧
JNN/TBS 東芝日曜劇場『おゆき』
1961年12月30日~1962年12月30日  21:30-22:30

作家のところへやって来た戦災孤児のお手伝いさんが、その人柄のよさから作家夫妻の養女となり懸賞番組で大当たりをとるまでを描いた塩田良平の自伝的作品のドラマ化。

演出 蜷川 茂男
プロデューサ 石井ふく子
原作 塩田良平『随筆 おゆき』1962年
脚本 林秀彦
キャスト
大空真弓 おゆき
織田政雄 良吉
三宅邦子 奥さん
山本耕一 川田
谷口香
伊藤弘子

JNN/TBS 東芝日曜劇場(第331回) 『続おゆき』 1963年4月7日 21:30-22:30 単発
「おゆき」の続編。養女とはいえ娘を嫁に出した作家の父親としての淋しさを描く。
演出 蜷川茂男
プロデューサ 石井ふく子
原作 塩田良平『随筆 おゆき』1962年
脚本 林秀彦
キャスト
大空真弓 おゆき
織田政雄 良吉
三宅邦子 奥さん

新派舞台『おゆき』 新橋演舞場 1963年
キャスト
伊志井寛 良吉
京塚昌子 奥さん
大空真弓 おゆき

JNN/TBSドラマ『おゆき』1966年10月3日~ 1967年6月26日 月曜日 21:00-21:30 全39話
孤児でありながら、自らの才能と努力で幸せを見出していく女性の半生。
原作 塩田良平『随筆 おゆき』1962年
キャスト
林美智子 おゆき
伊志井寛 良吉
三宅邦子 奥さん
井川比佐志 川田
早川保
夏圭子
直木晶子
織賀邦江

日活映画『おゆきさん』(1966年 監督・鍛冶昇)

原作 塩田良平『おゆき』1962年 
脚本 倉本聰 
キャスト
笠智衆 平木良吉
和泉雅子 裕紀子
小夜福子 平木正子
松尾嘉代 平木洋子
新克利  川田
松山省三  ボーイフレンド碌ちゃん

CX/フジテレビ系「土曜劇場」『おゆきさん』1971年4月3日~6月26日、土曜日21:30 - 22:26
演出 - 真船禎
原作 - 塩田良平『おゆき抄』1966年
脚本 - 井手俊郎
キャスト
紀比呂子 おゆき
山村聡 良吉
三宅邦子 奥さん
緒形拳 川田
小倉一郎



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