物語学の森 Blog版 河内本『源氏物語』は「ぶんす-文集」
河内本『源氏物語』は「ぶんす-文集」
2017-11-24 Fri 07:42
 岩波文庫『源氏物語』第二巻精読中。すでに新大系に指摘のあった「須磨」巻の「文集」の訓については、文庫でも踏襲されている(p413)。『白氏文集』の鎌倉時代の訓は「ふんす」。

 かのやまさとの御すみかのれうには・えさらすとりつかひ給へきものとも・よそひもなく・ことそきて・しなしつつ・ふんすなにくれさるへきふみとものいりたるはこなと・きむひとつとをそもたせ給へる。ところせき御てうと・はなやかなる御よそひなとは・さらにくし給はす。            「尾州家河内本源氏物語(秋山虔 池田利夫 編) 243頁⑪~⑬
 ※ ふんす-高松宮家本、ふんす(う)-中京大学藏大島本、ぶんじふ-承応版本
                                    
 かの山さとの御すミかのくハえさらすとりつかひたまふへきものとも・
     粧<ヨソヲヒ>  略 
ことさらよそひもなくことそきて・さるへきふミとも・
 白楽天ノ詩賦をあつめたる七十二巻アリ長慶集トいへり長慶年中にあつめたる故也
文集なといりたるはこさてハ琴ひとつそ/
もたせ給・ところせき御てうとはなやかなる御よそひなと
・さらにくし給はすあしの山かつめきてもてなし給・  大島本『源氏物語』15オモテ・ウラ

 尾州家河内本は、奥書によれば、1258年(正嘉2年)5月、北条実時が源親行所持の河内本原本を借用して能筆家に書写させた金沢文庫旧蔵本で、六半本、四半本定家本にやや先行する最重要文献。

 神鷹徳治『白氏文集は“もんじゅう”か“ぶんしゅう”か―“文集”閑談"
別窓 | 源氏物語の巻 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
<<鈴木朖『源氏物語玉の小櫛補遺』と琴曲「廣陵散」 | 物語学の森 Blog版 | 「青春」の語誌>>
 
 
 
 
 
 
  管理者だけに閲覧
 

トラックバックURL

FC2ブログユーザー専用トラックバックURLはこちら
| 物語学の森 Blog版 |