物語学の森 Blog版 「青春」の語誌
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「青春」の語誌
2017-11-22 Wed 06:53
 先日、漱石『それから』(1909年)に使われている「青春時代」は、漢文を除き、「青年期」の意味で用いられるようになった近代以降では古い用例のひとつと説明した。後から気になってもういちど復習。土井晩翠『天地有情』が10年遡るようで、「かなりはやい」レベルと話したのは、ともあれ、誤りではなかったとひと安心。
 なお、漱石は「春日静座」(明治31年-1898)の冒頭に「青春二三月」と記している。

『日本国語大辞典 第二版』
【一】
(3)人生の春にたとえられる若い時代。年のわかいこと。青年。青年時代。
*懐風藻〔751〕賀五八年〈刀利宣令〉「縦賞青春日、相期白髪年」
*本朝無題詩〔1162〜64頃〕九暮春遊霊山寺〈藤原明衡〉「青春花鳥雖傾志、今日貂蝉欲墜蹤」
*徂徠集〔1735〜40〕四・梅花落「纔憐同白髪、已愧異青春」
*天地有情〔1899〕〈土井晩翠〉籠鳥の感「嗚呼青春の夢高く理想のあとにあこがれて」
*三四郎〔1908〕〈夏目漱石〉一〇「考へるには、青春(セイシュン)の血があまりに暖か過ぎる」
*李白‐送李青帰華陽川詩「伯陽仙家子、容色如青春」
【二】
小説。小栗風葉作。明治三八〜三九年(一九〇五〜〇六)発表。理想主義者だが個人主義的傾向が強く実行力に乏しい関欽哉と、才色兼備の女子大生小野繁との本能満足的な恋とその破綻を描く。同時代の風俗の描写に優れる。ツルゲーネフの「ルージン」の影響が濃い。
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