物語学の森 Blog版 北大路春房『白萩の曲』
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北大路春房『白萩の曲』
2017-09-19 Tue 07:10
  (池田亀鑑は)結婚の翌大正十四年には、さらに一層筆に油が乗ってくる。すなわち、「白萩の曲」(北大路春房・婦人世界・一月~九月)「かたぶく月影」(池田芙蓉・少女の友・一月~十二月)「さしまねく影」(闇野冥火・少女の友・一月~十二月)二月)、「馬賊の唄」前篇(池田芙蓉・日本少弟一月~大正十五年一月)の諸長篇をはじめ、いくた読切りの短篇を書いている。

 このうち、「白萩の曲」は「婦人世界」への初登場として注目すべく、筆名も北大路春房という、しゃれた貴公子のような新名を用い、大人の読者を相手として、自己の力倆を世に問うた。親子二代にわたる恋の執念、奇しき運命にあやつられた人間の離合を、歌舞伎風なタッチで描き、大尾は炎々たる猛火のなかに、主要人物すべてが互いに愛する人と抱き合うて死んでゆく。構想の緻密、情緒のてんめん、落ちついた行文、ハッピイエンドに終らせない話の結び方、惨劇のあとに咲かせた白萩の花一群、―――けだし通俗小説。 (長野嘗一「小説家・池田亀鑑」二「学苑」昭和女子大学光葉会、1958年6月 )

 「白萩の曲」完結の「婦人世界」を入手。小説の完結した巻を手に入れるのは至難の業です。
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