物語学の森 Blog版 田村隆著『省筆論-「書かず」と書くこと』
田村隆著『省筆論-「書かず」と書くこと』
2017-08-05 Sat 08:16
 著者から『省筆論-「書かず」と書くこと』拝領。ありがとうございます。
 出色の論文は「「涙」の表記」(初出2012年)。これは、陽明文庫本の江戸期補配の巻の本文「初音、藤袴、幻、匂宮、橋姫、総角」の「なみだ、涙」表記に「泪」が見られることを起点に、これが『絵入源氏』版本の書写であることを実証した労作。とりわけ、「初音」巻は大島本が、池田亀鑑によって別本とされていたことから、小学館、日本古典文学全集では、陽明文庫本を底本としていたわけで(『完訳』では大島本、『新編全集』では池田本を採用)、全員泉下の客となった校注者の諸先生も苦笑いしているだろうと思われます。

 以下、目次

主要目次
「書かず」と書くこと

第一部  
省筆論
夕顔以前の省筆
貫之が諫め
卑下の叙法
「ようなさにとどめつ」考
「思ひやるべし」考
与謝野晶子訳『紫式部日記』私見
省筆の訳出
「御返りなし」考

第二部 
施錠考
村雨の軒端
硯瓶の水
いとやむごとなききはにはあらぬが
「涙」の表記
玉葛の旧跡

The Uses of Ellipsis: “Telling”Without Saying
Takashi TAMURA
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