物語学の森 Blog版

このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。

「上格子事」『侍中群要』第一「日中行事」

『侍中群要』第一「日中行事」
上格子事

式/凡 毎日辰一刻上格子/
令殿司女嬬御燈払拭殿上女蔵人検察之/
午一刻供朝膳/
酉一刻供夕膳 侍女房仰供奉 于黄昏殿司供燈楼下格子 或随仰下上格子亦同
○辰一刻(午前 七時)格子を上ぐ 
○牛一刻(午前十一時)朝膳
○酉一刻(午後十七時)夕膳
○黄昏(たそがれ)于(よ)り、燈楼を供し、格子を下ぐ 或は仰せに随ひて格子を下げ上ぐるも亦同じ
 ※殿司女嬬(女の童、にょじゅ)=後宮において内侍司に属し、掃除や燈火等の雑事に従事した女官

『紫式部日記』寛弘五年秋
まだ夜深きほどの月さし曇り、木の下をぐらきに、
 「御格子参りなばや。」 「女官は、今までさぶらはじ。」
「蔵人参れ。」
など言ひしろふほどに、後夜の鉦打ち驚かして、五壇の御修法の時始めつ。われもわれもと、うち上げたる伴僧の声々、遠く近く、聞きわたされたるほど、おどろおどろしく尊し。

『新編全集』
○「御格子参れ」-ここでは前に屋外の描写があるので、下ろす意
○「後夜」-六時(日没・初夜・中夜・後夜・晨朝・日中)のひとつで明け方の四時頃。

 時系列で見ると、前夜の黄昏には格子を下ろしており、翌朝辰一刻(午前七時)に上げるというのだから、「下ろす」ことは不可能と言うことになる。


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