物語学の森 Blog版 成簣堂文庫本『無名草子』の本文
成簣堂文庫本『無名草子』の本文
2016-10-17 Mon 07:51
 池田亀鑑が閲覧を希望した徳富蘇峰の蔵書『無名草子』は、『国書総目録』『日本古典籍総合目録』には「茶図成簣」(江戸初期写本-お茶の水・成簣堂文庫蔵)とあるものの、『新編全集』の久保木哲夫氏の解説では「所在不明」とあり、資料館のデータベースでも見あたりません。資料館の日本古典籍総合目録データベースによると、8本がヒット。うち4本が東海大学桃園文庫本で、書誌情報すべて掲載されています。写本は二冊。

桃12-1 無名物語( むみょうものがたり ) 木田園子、昭和2年 現写 形態 95丁、1冊 藤井乙男氏蔵本の現写。
桃12-2 建久物語( けんきゅうものがたり )  池田晧、 昭和10年 ペン写 形態 94丁、1冊 「(識語)「昭和十年三月十八日夕刻 水府彰考館に於て書寫了 池田晧」
桃12-3、4の二冊は群書類従本刊本

 書簡は、昭和10年4月11日付だから、集中的に『無名草子』諸本を揃えていたことが判ります。ただし、結果的に調査には反映しておらず、閲覧できたかどうかは不明。確かに、調査しなければならない本ではあります。

 山岸徳平『無名草子』角川文庫、1973年の「解説・四・諸本」によれば、諸本は四系統に分類されるとし、以下のようにあります(一部記載略)。これによれば、校訂に際して、主要諸本は調査しているもようですが、昭和15年、成簣堂文庫は石川武美のお茶の水図書館に一括購入されてあったので、蘇峰の購入以前(昭和5年以前)に「新井文庫」を調査していたことになり、少なくとも文庫名に関して、記述がおかしいとは言えます。

1群書類従
2水戸彰考館本 『建久物語 全』建武二年四月六日未時一見訖 作者不審建久比書之歟自源氏始之色々物語事已下有興事等書之藤井どのゝ萬葉今ヲ執給事有之 津守國冬判」 ※ 建武二年(1335)、津守国冬65歳。小山田与清が献納したと伝えられる国冬本の転写本。
3藤井乙男旧蔵本 『無名物語 銘可勘知云々奥書は彰考館本に同じ。加筆奥書に書名を 1336年、津守朝臣則棟が記入したとある。
4成簣堂文庫本 「その後は徳富蘇峰翁蔵本となったものである。新井政毅旧蔵の書である。本文に群書類従本との異同を朱書きしてある。奥書は藤井博士本と同一である」
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