物語学の森 Blog版 越野優子著『国冬本源氏物語論』
越野優子著『国冬本源氏物語論』
2016-10-13 Thu 07:07


 著者・越野さんから拝領。研究の始発から存じ上げていますが、やはり大阪大学での学びは大きな結節点となりました。冒頭第一章の「<独自本文>という言葉の使用」は、厳密な文献学的方法を極めなければ出てこない発想。この他、御本は緻密に計算された論の配置となっています。研究の扉を開いた野口元大先生もさぞお慶びだろうと思います。
 とりわけ、第9章、ご主人の手になるプログラミングから見た諸本の位置は、ご自身の國冬本研究の成果を鮮明に証明するものとなっており、極めて有効な説得力を持っています。「索引」もコンパクトにまとめ、後進への好事例を示していただきました。いささか各章の入稿にスパンがあったため、編集の労もあったのでしょうが、完成度の高い一冊。ぜひ御高架をお願いします。

国冬本源氏物語論』・目次
序文    伊井春樹 
序章
第一章 国冬本源氏物語の研究の位置づけ
第二章 作品論的視座から――国冬本少女巻を中心に
第三章 人物論的視座から――国冬本鈴虫巻を中心とした女三宮について
第四章 和歌論的視座から――国冬本藤裏葉巻をめぐって
第五章 象徴論的視座から――本文研究と象徴との接点
第六章 享受論的視座から――国冬本と物語内部、そして外部へ
第七章 翻訳論的視座から
第八章 注釈論的視座から――桐壺・少女・野分・柏木・鈴虫の物語世界を中心に――
第九章 統計論的視座から――シミュレーションを通してみた国冬本の特異性――
終章  今後の課題とあとがき――国冬本を端緒に広がる未来
国冬本源氏物語一覧表/初出一覧/本文研究及び外国語(韓国語)を中心とした人物・事項・書名索引
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