物語学の森 Blog版 浅尾広良著『源氏物語の皇統と論理』
浅尾広良著『源氏物語の皇統と論理』
2016-10-07 Fri 07:47
 浅尾広良著『源氏物語の皇統と論理』翰林書房を頂戴しました。前著『源氏物語の准拠と系譜』(2004年)も名著の誉れ高く、何度も参照させて頂きました。この間、あれこれ無理をお願いして、コラムや拙著の書評をお願いしたりもしました。

 今作は、まず「国冬本少女巻朱雀院行幸の独自異文」(『大阪大谷国文』第45号、2015年3月)から拝読。
 国冬本「少女」巻には大きな異同があり、例えば、琴(きん)の奏者は「左大臣/青表紙本諸本以下同じ・太政大臣」、琵琶は「内大臣/兵部卿宮」、和琴は「兵部卿宮/内大臣」、箏はともに朱雀院の演奏であることを指摘して、従来の青表紙本で構築された楽器の相承の論理とは異なる描写となっていることの意味を、光源氏不在の朱雀院行幸としたことから発生した国冬本独自の論理だと規定しています(このあたり、参考文献がラフなのは瑕瑾)。青表紙本の物語世界は、桐壷・朱雀・冷泉の王権分裂回避のための行幸であると論じた前章を踏まえ、それとは異なる国冬本独自の物語世界を読み説くことに成功した卓論。
 また、巻によって異同に偏差があることから、国冬本が取り合わせ本であることの指摘も重要。

 705⑧ 大島本・琴はおほきおとゝに-大きおとゝを・讃岐・保坂/おほきをとと・陽明・麦生・阿里莫/ひたりのおとゝに・国冬

 時間を見付けて勉強します。ありがとうございました。

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