物語学の森 Blog版 辞書に載らない『源氏物語』のことばを周知する
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辞書に載らない『源氏物語』のことばを周知する
 宮島達雄 『古典対照語い表』(笠間書院、1971年)によれば、『源氏物語』は延べ語数で20万7808語、異なり語数で1万1423語と認定されています。ちなみに、この本は一昨年『日本古典対照分類語彙表』(笠間書院、2014年)として増補されています。
 前者の『源氏物語』のサンプルは、池田亀鑑『大成』。となると、傍記補入本文は原則刈り込んだ『新編全集』の本文より、若干語彙数が多いはずで、各種校訂本文によって揺れがあることは容易に了解されるところ。
 現在構想中の校訂本文は、室町時代書写の現存諸本本文中、欠損した本文を鎌倉時代別本系写本によって補うことで、各種辞書に載らない『源氏物語』のことばを周知する試み。現時点の調査作業では異なり語はあまり増えませんが、総語彙数は大幅に増える見込みです。

 『源氏物語』の異なり語を1万1423語とすれば、『古語辞典』の収録語彙数からして、主要な語彙はほぼ拾われていると言うことになります。
 
小学館『日本国語大辞典 第二版』 500,000項目、100万用例
角川書店『角川古語大辞典』      95.000項目
旺文社『古語辞典』            45,000項目
岩波書店『岩波古語辞典』       43,000項目
三省堂 『詳説古語辞典 』        41,000項目 
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角川学芸出版『角川全訳古語辞典』 31,000項目
小学館『全訳古語例解辞典』     25,000項目
東京書籍『最新全訳古語辞典』    23,000項目
三省堂『全訳読解古語辞典』      21,000項目

 ただし、辞書を引けば『源氏物語』がすっかり読めると言うことにはならないのは、文脈によって語感が違うゆえ、いくらブランチを立ててもすべては補えないからでしょう。

注記 『古典対照語彙表』の底本は誤認により、訂正した。

2016-09-06 Tue 07:48
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