物語学の森 Blog版 言語不通は繰り返す。付けたり『狭衣物語』内閣文庫本の話。
言語不通は繰り返す。付けたり『狭衣物語』内閣文庫本の話。
2016-07-18 Mon 07:58
 土曜日、神奈川大学で物語研究会例会。帰り道、我々の言葉が若手には伝わっていない、と聴かされる。その昔、90年代初頭、創設メンバーが、同じように研究を通して伝えているはずのメッセージが伝わっていないことにいらだっていたのはこのことだったのか、と思い当たる。世代によって通じることばがあるのと同時に世代間で断絶していることばのあることは、今も同じであると言うこと。
 藤井さんの『構造主義のかなたへ-『源氏物語』追跡』はまさに次世代に残すメッセージ、ぜひ読んだ頂きたいと思っています。

 話の中で『狭衣物語』のテキストの話が出ました。片岡利博さんの『異文の愉悦-狭衣物語本文研究』によって、西本願寺本本文が後代に改竄されたものであるとされ、俄然脚光を浴びる内閣文庫本。『古典大系』の底本だから、これを読めばよいのだけれど、翻刻ミスによる脱文箇所が多数見つかっているので、実は参考程度にしかならないことが分かっています。西本願寺本は『新編全集』、『全註釈』がありますが、内閣文庫本本文の全貌は、一部関係者しか知らないと言うことになります。ちなみに巻四は、いずれの本も流布本なので、『集成』本文にほぼ同じ。巻三までが問題となるわけです。

 日曜日、西早稲田で「さらぬわかれ-『伊勢物語』、以前」。前売完売、満席の大盛況でありました。
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