物語学の森 Blog版 春秋時代の琴瑟出土。2700年の歴史を証明。
春秋時代の琴瑟出土。2700年の歴史を証明。
2016-06-01 Wed 06:55
 この五月、春秋時代の琴瑟が発掘されていたことを知りました。 中国メディア・荊楚網によると、湖北省の郭家廟曹門湾にある春秋戦国初期の墓「郭家廟曹門湾」-春秋時代(紀元前773-同403年ごろ)から漆塗りの「琴(きん)」が発掘され、さらに同じ墓室からは、夫婦の理想的な関係を意味する「琴瑟相和す」の故事で知られる「瑟」も見つかった模様。※周代から春秋時代の孔子の詩を収めたとされる『詩経』による故事。

 拙編『日本琴學史』「概説」にも記したように、これまで、最古とされていた「琴」は1978年に発掘された湖北省「曾侯乙墓」の出土琴でした。「曾侯乙墓」は、戦国時代初期の「曾」国の「乙」なる君主の墓で、紀元前443年ごろの墓葬とされています。この発見によって、琴史は最低でも2700年を誇る歴史を有することが確実となったわけです。

 ただし、白楽天に「五絃弾」なる漢詩があるように、 「琴」は唐代ごろまでには形状に幅があり、これ以降、七絃と定まり、奈良朝の日本には七絃琴だけが伝わりました。それ以前、前掲の「曾侯乙墓」で発見されたのは「十絃琴」と「五絃琴」であり、いずれも現在の琴とは形状も異なっていました。とりわけこの「十絃琴」には、絃を取り付ける「ネック」状の共鳴箱に琴首が嵌め込まれているところが七絃琴とは異なる形状だと思います。新旧いずれの出土琴も画像はコチラ(後者は拙編にも掲載しました)。
 
 郭家廟曹門湾の墓から出土した「琴」の詳細な形状は不明ですが、発表された写真を見る限り、「曾侯乙墓」の「十絃琴」に近い形のようです。また、郭家廟曹門湾の墓では、「琴」と同じ墓室から「瑟」も出土、この「瑟」も最古のものという。 「瑟」は「曾侯乙墓」からも出土しており、春秋初期の墓で見つかったことにより、「琴瑟」の密接な関係性をここにも知ることが出来ます。
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