物語学の森 Blog版 『むらさき』第1巻4号(1934年8月)
『むらさき』第1巻4号(1934年8月)
2016-02-10 Wed 07:39
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 創刊当初の『むらさき』を入手。発行元は紫式部学会出版部(編輯兼発行者・波多野重太郎/印刷所・精興社)。のちに戦時の雑誌統合で『藝苑』(巌松堂書店)と名を変えて戦後廃刊。13年後、『むらさき』として復刊し、さらに現在の武蔵野書院と言う経緯を辿ります。

●『むらさき』 創刊特輯號「源氏物語劇の解説と報告」1 巻1号(昭和9年2月)-パイロット版
●『むらさき』1巻1号 (昭和9年5月)-11巻6号 (昭和19年6月) 紫式部学会出版部 刊数122
● 『藝苑』 1巻1号 (昭和19年8月)- 6巻3号(1昭和24年月不明) 巌松堂書店 刊数不明
●『むらさき』復刊1号 (昭和37年11月)紫式部学会-武蔵野書院

○タイトル-趣味と教養 (1巻1号 (昭和9年5月)→研究と教養 (復刊・15輯 ([昭和53年6月])>-)
○発行元・ 紫式部學會 (1巻1号 (昭和9年2月))→紫式部學會出版部 (1巻1号 (昭和9年5月)-2巻10号 (昭和10年10月))→むらさき出版部 (2巻11号(昭年10月11月)-11巻6号 (昭和19年6月))→紫式部学会 (復刊1号 (昭和37年11月)-復刊2号 (昭和38年12月))→武蔵野書院 (復刊3号 (昭和39年11月)-)
○発売者・ 幽學社(1巻1号 (昭和9年5月)-3巻4号 (昭和11年4月))→厳松堂書店 (3巻5号 (昭和11年.5月)-11巻6号 (昭和19年.6月))

 巌松堂書店は波多野家の家業と言うべき出版社で、創業者は波多野重太郎。戦後に一度倒産、二代目一の弟で心理学者の波多野完治(のちにお茶の水女子大学学長)、その妻の勤子(国立音楽大学教授)も経営に参画したことは、同社の沿革にも書かれています。

 当該号を捲ると、現在のような研究誌ではなく、文藝投稿誌の趣。当時の女性歌壇をリードした今井邦子、若山喜志子らの文藝評論、短歌が並び、目次では無記名ですが、若き日の森本元子「竹芝寺と小猫の思ひ出」、のちに池田亀鑑の『校異源氏物語』にも協力者となる奥野昭子らの名前も見えます。巻末に「古典名作鑑賞講座」があり、「万葉集」久松潜一、「枕草子」池田亀鑑、「俳句」藤村作の連載。また、外国文学の紹介もあり、本多顕彰や堀口大学の名前も見えます。8号までは編集方針が揺れていたようですが、さらに長谷川時雨、円地文子、茅野雅子、岡本かの子、林芙美子、与謝野晶子らも寄稿、まこと錚々たる執筆陣であったことが分かります。
 
 巌松堂書店の出版活動  
 文藝雑誌『藝苑』のこと
 全集未収録座談会
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