物語学の森 Blog版 国語施策の結節点・明治33年(1900)
国語施策の結節点・明治33年(1900)
2016-01-26 Tue 07:19
 昨年暮れの科研報告会で、我が国の国語施策の結節点は、明治33年、国定教科書編纂の指針として発令された法令(明治33年8月 文部省令第14号 小学校令施行規則中教授用新定字音仮名遣いに関する規定)だと窺い、ずっと気になっていたので少し調べ始めました。 以後、旧来の、いわゆる「旧仮名遣い」と句読点を含む国語表記の基盤が定められ、これは今日まで使われることになります。

 その昔、樋口一葉(1872-1896)架蔵の小型版本『源氏物語』(山梨県立文学館蔵)を見たことがあります。父・則義が中島歌子の「萩の舎」入門(1886年)のご褒美に購入したとのことでしたが、本文に墨で文節毎に読点が付されており、まさしく精読したことが分かる文献でした。版本の『源氏物語』はもうひとつ与謝野晶子(1878-1942)架蔵本(鞍馬寺蔵-(『絵入源氏物語』寛文頃1670無刊記・小本))も見たことがあります。それぞれ見た時期が異なり、確定できませんが、同じ揃いの小型版本では、と思ったことでした。与謝野晶子のものは縦長の箱入りでした。
 
 この施策が発令される前の、女性の教養(版本・変体仮名文化)はさらに調べてみたいと思います。なお、昭和13年(1938)頃、橋本進吉(1882-1945)の国語学演習で『古今集』を読んでいたという萩谷先生に、「教科書はどの本をお使いですか」とお尋ねしたところ、「神田で売っていた版本を学生それぞれが用意していた」と言う趣旨のお話を窺ったことがあります。戦前は、まだ学生の身近に版本のあった時代と言うことになるようです。

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