物語学の森 Blog版 折口信夫「源氏物語と歌舞伎」-東海大学桃園文庫展より
折口信夫「源氏物語と歌舞伎」-東海大学桃園文庫展より
2015-12-18 Fri 06:54
 東海大学にも出講されている、後輩にあたる中国語の先生から、湘南キャンパス附属中央図書館で「桃園文庫展・池田亀鑑の仕事」開催のポスターを見たとのお話があり、調べてみると、1月末までの開催ながら、年内で時間が取れる時は今日、とばかり、予定を変更して出掛ける。とは言っても片道約3時間。荻窪の故人は何年も通っていたのだから、仕事であれば苦にならないのでしょう。

 学科創設50周年、生誕120年、没後60年の節目の年に当たり、「東海大学藏桃園文庫目録完成記念」でもあると言う。垂涎のこの目録は、上中巻とはさんで下巻は27年後の一昨年の刊行。未刊の巻と思いこんでいたところ、数年前、編修追い込みと聞いて吃驚、多くの知見が得られ、ほんとうに有り難いことでした(門下生の桃葉会の先生方を除き、原則として個人には献本しないとのこと、為念)。

 展示の構成も5つに編成された周到なもので、「3 池田亀鑑の仕事」が『校異源氏物語』『源氏物語大成』の関係資料が並んでいました。紀州徳川家旧蔵・南葵文庫の『源氏物語』写本はぜひ見ておきたかった一本。生原稿はお弟子さんの手になるもののほうが多く、本人は朱に例の達筆が確認できました。お弟子さんに草稿を書かせて添削する方法だったことがこれでも分かります。『校異源氏』では萩谷先生が、『大成』図録篇では、中村義雄先生が参加されていたはずですが、これは確認できませんでした。他にも書きたいことがありますが、来年頭に調査をかねてもう一回訪問を予定しており、その折に記します。眼福の時間でした。

 一点、発掘品と言うべき、400字詰原稿に「折口信夫氏」と書かれた「源氏物語と歌舞伎」と題された文章が展示されていました。旧編『折口信夫全集』には収められていないもようなので、さっそく全集に関わった先生にお知らせする。折口の『源氏物語』に関する文章は、片手くらいしかないので、極めて貴重なもの。折口と池田亀鑑の交流は、戦前の紫式部学会を通して、当時会員の絶対多数を占めていた短歌結社・歌壇の先生どおしとして始まったようで、そこには必ず女性歌人が同席していたという。国文学・民俗学研究は男性のお弟子さん、そして國學院、慶應と、折口にはいつも「二つの顔」があるような気がしています。

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