物語学の森 Blog版 『お稽古事独習全書』の琴箏理解。
『お稽古事独習全書』の琴箏理解。
2015-11-17 Tue 00:59
 藤井淑禎・校注『心-漱石文学全注釈12』若草書房、2000年を読んでいたところ、例の「琴(こと)」に関する註釈に、

 箏とも書く。「左の指に管をはめて、糸をおさえながら」弾くのが「琴」、指で押さえるのではなくて立てた柱で絃を支えるのが「箏」という分類もあるが(宮城道雄「箏を習う手引き」『お稽古事独習全書』『主婦之友』昭和26.1付録)、ふつうは一三絃のものを琴とも箏とも書いた。発音はどちらも「コト」。流派としては、生田流と山田流が有名。     230頁

 とありました。「「左の指に管をはめて、糸をおさえながら」弾くのが「琴」」とあるのが腑に落ちずにいたところ、山田流箏曲の「解説」にも同様の記述があり、「管」のくだりから、これは一絃琴の説明と判明((参考文献) NHK邦楽技能者育成会講義テキスト)。こちらは、江戸期の楽器であり、坂本龍馬も嗜んだと言うけれども、幕末には衰微した模様。いずれにせよ、七絃琴に関する古代音楽研究史の理解とは異なる「琴箏」の解説の淵源は、斯界を代表する宮城道雄に行き着くようです。


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