物語学の森 Blog版 「いたいけ」の表記史
「いたいけ」の表記史
2015-10-15 Thu 05:52
 「痛気ない」とある文章を正しい表記に改める設問。その「いたいけ」を「幼気」と書いてあったので、「△痛気もある」と朱を入れたところ、「辞書にありません」と言われて慌てる。下記のような語源説が念頭にあったようで、「らうたし-労痛し」の派生として書き留めます。


語誌

(1)「随筆・嬉遊笑覧‐六下」では「いたいけは痛気(イタイケ)なるべし。いと愛(をし)む意の深きをいふなり」としており、かわいらしさが「痛し」というほど強く心に感じられる様子であるところからいうか(語源説(1))。同様の語構成を持つ語に「にくいけ」がある。

(2)形容詞的に用いる際には、鎌倉時代頃までは「いたいけす+たり」の形を取るが、室町時代頃に「いたいけなり」という形容動詞形が現われて定着し、「日葡辞書」では「Itaiqena (イタイケナ)」が見出しになっている。            「新編日本国語大辞典」
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