物語学の森 Blog版 女三宮の五六の溌剌
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このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。
女三宮の五六の溌剌


 『源氏物語』「若菜」下巻の女楽、クライマックスは女三宮の「胡笳の調べ(「龍翔操」)」。その白眉が奏法の最も難しい 「五六の溌剌」。演奏1分42秒あたり、徽の5-6間を溌剌奏法で弾く場面のこと。王昭君の切迫した心情を表しています。
 先日紹介したスティーブン・ネルソン先生も、卑説に賛意を記した上で、文献の乏しい中世近世の古注釈・新注の音楽関係注記を「珍説」とまで評しつつ、現代の注釈書が誤謬をそのまま踏襲していることを批判しておられます。従来説の「五箇の調べ」「五六の撥」説は、「琵琶西流」の楽理の援用であることは、すでに

 『琴の文化史-東アジアのサウンドスケープ アジア遊学127』勉誠出版、2009年 9月。

で詳述しました。「撥」が出てくることじたい、琵琶のそれであることは素養のある人ならおわかり頂けようかと思います。来年二月刊行の『日本琴學史』に当該論文は再録してあります。


2015-09-16 Wed 09:57
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