物語学の森 Blog版 青山桜州、場面転換の妙
青山桜州、場面転換の妙
2015-07-13 Mon 07:07
 先の『少女小説事典』でも、青山桜州は場面転換を巧みに用いつつ、すれ違いや伏線の仕掛けを施して物語を展開させていることが指摘されています。

 『夕霧の青葉城』では、浅香姫の運ぶ膳に南蛮の毒を含まされた尼子時久が瀕死となって、梟の怪人により、念誦の原に運ばれました。また日野川で祈願の滝行を行う宗春のもとに現れた切支丹の妖術者から、解毒剤の霊薬が出雲の国、地蔵ケ崎の断崖絶壁にあることを知らされ、美少年剣士はかの地に向かう。いっぽう、罪人に貶められた浅香姫も幽閉されており、鳩や烏がその運命を操る…、と言う、少女小説で培ったノウハウを駆使するストーリーが繰り広げられています(第7回)。

 めまぐるしくプロットが展開するので、物語の前後を読みたくなる仕掛けが盛りだくさん。地名は、作者ゆかりの地名「日野川・地蔵ケ崎・粟島山・夜見ケ濱」が「道行文」の如く網羅されていることも特記されるべき事柄でしょう。

 
 
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