物語学の森 Blog版 堀辰雄の面会拒否
堀辰雄の面会拒否
2015-05-27 Wed 06:48
 


 堀辰雄の書斎は、堀の死の一週間前に完成したと言うことで、本人は蔵書を並べてくつろぐこともなかったとあります。『万葉集』などの日本の古典が目立つのは、彼の作品からも納得できます。堀の古典への造詣は、昭和13年、室生犀星から釈迢空の別荘を探す指示を受け、折口信夫の別荘で古典の講義を受けるようになってからのようです。二人はかなり懇意になったようで、室生犀星の『我が愛する詩人の伝記』で堀辰雄が折口の面会を拒否したことが、記されてあります。なんとも微妙な表現です。

病で床の中にいた時分、釈迢空が見舞いに軽井沢から来られる日に、彼は何を遠慮したのか、今日は起きられないと先生に言ってくれ、僕は起きないからと奥さんのたえ子に言った。だってそんなに元気なのにどうしてお会いにならないのですと言うと、訳はいわないで寝たきりだと言ってくれと、会わなかったのだ。(略)釈迢空は堀辰雄に好意をもっていたし、好意は非公式の愛情をも潜めていたものらしい、堀もそれをうすうす知っていたから、おとろえた姿をこの人の眼に見せたくなかったのだろう。


参考
堀辰雄と折口信夫
20080504 堀辰雄の書斎
20140905 池田亀鑑と『徒然草』
20140920 戦前の女性文学者と『むらさき』、そして折口信夫
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