物語学の森 Blog版 池田芙蓉『落城の前』の典拠
池田芙蓉『落城の前』の典拠
2015-04-22 Wed 06:42
 小説を書き始めた池田亀鑑の連作・諸国物語の中に、会津鶴ヶ城に籠城して応戦した山本八重子を題材とした「落城の前」があります(「少女の友」実業之日本社、14巻11号、1921年)。

 この小説、落城した八重子が剃髪して死者を弔ったことになっているので、不審に思っていたところ、同社から発行されていた、熊田葦城著『少女美談』(実業之日本社、1909年)の「山本八重子戦死者を弔う」でも剃髪して寺に籠もり、戦死者を弔っていたことになっていました。当時はこのように伝えられていたのでしょう。先に紹介した「笄の渡」の村上義清の側室は「少女」の枠からはずれて掲載されていませんが、『少女美談』の巻末広告に、前東京高等師範教授・北垣恭次郎著『国史美談』『続国史美談』がありました。このあたりが、若き小説家・芙蓉のネタ帳であったようです。

 参考・阿部綾子「つくられた「山本八重子」像と新島八重子」
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