物語学の森 Blog版 『『館村旧記』解読文と解説』
『『館村旧記』解読文と解説』
2015-04-08 Wed 08:10
 思い切って市史編纂の過程で収集した文献について志木市生涯学習課にお尋ねしたところ、『館村旧記』に関しては、一部が『志木市史 中世資料編』に翻刻されていたところ、最近、完全翻刻が終わって冊子になっているとのこと。CINNI等の検索が万能ではないと知っていながら、やはり頼ってしまっていました。

 『『館村旧記』解読文と解説』志木市教育委員会、平成25年4月

 これによると、本来は全三巻を、宮原仲右衛門が享保十四年(1729)に二巻にまとめ直したとあるから、古伝承の相伝のかたちを取っています。冒頭から『伊勢物語』のくだりを説いていますが、これは正当派の定家本『伊勢物語』十段、十二段の註釈のごとし。ただし、十二段本文は、

 女わびて、古今集に
  むさし野ハけふハな焼きそわかくさの つまもこもれりわれもこもれり
 …
 右本文之注ニ云 …
 ○又本文の上の方に後注あり曰…

 とあって、このうしろに「私云」として宮原仲右衛門が、「当所に云々されたるに相違なく業平卿、当村に御参座ありしに紛なかるべし」として古伝承を接続する考証が続きます。先日記した、隅田川へのさらなる逃避行は簡単に触れられていますが、清盛の求婚譚は『館村風土記』独自のものであることも判明。参照したあやしげな『伊勢物語』本文も特定できそうです。

 他の参照テクストは『徒然草』と『節用集』。 さらに折を見て精査したいと思います。


 「武蔵野は今日はな焼きそ」の歌は現存『古今集』には見えない。あるのは、「春日野は今日はな焼きそ」の歌。
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