物語学の森 Blog版 難しい勉強、そして『枕草子』の農耕。
難しい勉強、そして『枕草子』の農耕。
2015-01-13 Tue 07:55
 暮れ以降、いまひとつ体調が良くなく、金曜日には悪寒がしたため、早めに就寝。無事に講演会を終えて気が抜けたせいか、連休はほぼ無為に過ごしました。ただ、必要があって、異分野の、難しい勉強をしました。

 暮れに、親戚の某氏から、「あまりに世間知らずだから、5月には帰ってきて田植えを手伝え」と言われました。田植えを手伝うことと、世間を知ることはなかなかな結びつきませんが、『枕草子』にも田植えのことは見えており、小文を草したことがありました。田植え歌に鶯と時鳥、そして『うつほ物語』、さらには稲刈り歌、確かに勉強の価値はあります。これも世間ならば、知る価値はありそうです。

 賀茂へ詣づる道に、女どもの、あたらしき折敷のやうなる物を笠に着て、いとおほく立てりて、歌をうたひ、起き伏すやうに見えて、ただ何すともなく、うしろざまに行くは、いかなるにかあらむ、をかしと見るほどに、郭公をいとなめくうたふ声ぞ心憂き。「郭公よ。おれよ。かやつよ。おれ鳴きてぞ、われは田に立つ」とうたふに、聞きも果てず。いかなりし人か、「いたく鳴きてぞ」と言ひけむ。仲忠が童生ひ言ひおとす人と、「鶯には郭公はおとれる」と言ふ人こそ、いとつらうにくけれ。鶯は夜鳴かぬ、いとわろし。すべて夜鳴くものはめでたし。 
ちともそはめでたからぬ。

 次の段は、太泰で見た稲刈りの景。稲刈りが男の仕事であることが分かります。

 八月つごもりに、太泰に詣づとて、穂に出でたる田に、人いとおほくてさわぐ。稲刈るなりけり。「さ苗取りし、いつの間に」とは、まことげにさいつごろ、賀茂に詣づとて見しが、あはれにもなりけるかな。これは女もまじらず、男の片手に、いとあかき稲の本は青きを刈り持ちて、刀か何にかあらむ、本を切るさまのやすげにめでたきことに、いとせまほしく見ゆるや。いかでさすらむ、穂を上にて、並みをる、いとをかしう見ゆ。いほのさまことなり。
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