物語学の森 Blog版 木田園子の短歌
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このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。
木田園子の短歌
木田園子2as
先日紹介した「芙蓉山荘」の木田園子氏のことは、すでに記しました。ただし、当時を知る先生方を除いて、その「記憶」もほぼ消えてゆきつつあるようだし、与謝野晶子直伝の「短歌」もあることなので、手許の数首を記しておきます。

 寒椿に寄せて 池田博士十三回忌に
    一
天と地と十三年を隔たりぬ過去の冬をば椿いひつつ
寒椿咲けどかひなし先生は帰り給はで冬の季に入る
先生は総べてを捨てて省みず年記の如く椿咲く日も
物語・好みの文字の「青い月」書きてあるべし顔は天の座に
うつし世の旅にあらねば師の君に報ず術なし椿咲くこと
    二
さびしさは師を念じつつ陽を背負ひ椿かぞへぬ額近づけて
師の上の思い出などを手繰る日にいとも貴てなる寒椿咲く
    三
椿近く唐より来たる布(ふ)のやうに椿の花のくれなゐぞ濃き
先生と源氏の君を迎えまし氈(かも)のけしきに椿の敷けば 
噛みしめてもの宣ひし師のごとく椿咲きつぐ師走のはじめ
                            昭和43年1月

   
 


2014-09-02 Tue 07:37
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