物語学の森 Blog版

このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。

日南町ゆかりの文学者・池田亀鑑


 原豊二さん監修。ありがとうございます。一カ所、東大文学部副手が無給とありますが、長野嘗一氏の評伝では俸給も明記されてあります。
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久下裕利先生著『源氏物語の記憶-歴史との交差』

 久下先生より大著『源氏物語の記憶-歴史との交差』拝領。ありがとうございます。
 第一章は「『源氏物語』宇治十帖の記憶」。先日の報告に重なるところ多し。この報告は先生編の論集に掲載させていただきます。
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三橋正遺稿集『古記録文化論』書評掲載



 「日本歴史」6月号に『古記録文化論』の書評(佐古愛己氏)が掲載されたことを、武蔵野書院の本橋さんから御教示頂きました。勘所を余すところ無くご紹介いただきました。ありがとうございます。平安時代史・文学・日本思想に関心のある方はぜひご一読下さいますよう。
 
 直接電話して序文を頂いた大隅和雄先生は、弟の良典先生がノーベル賞受賞で、昨年暮れにはマスコミにも紹介されていました。念のため。
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「夜深き暁月夜」の時間は午前4時(寅一つ)

平安時代の時間表現

 学習院で物語研究会例会。報告は恙なく修了。小林賢章氏の『「暁」の謎を解く―平安人の時間表現』角川選書の「午前3時=「夜明け=暁」説」を援用しつつ、『源氏物語』の「夜深き」「暁」を解読。ただし、「有明の月」は日付変更線を跨ぎ月の出からという修正案。なかに、源氏が朧月夜(有明の君)と逢瀬を重ねる「夜深き暁月夜」(「賢木」巻)という表現があり、質問を頂戴する。本文に「寅一つ(午前4時)」とあるので、この時点でも「夜深き」を用いていることが重要。この直前、二月に朧月夜が「尚侍」となる記述があるので春のこと。以下に2016年の如月有明の月のデータで検討すると、日の出が6時近いので、4時でも「夜深き」が用いられたのであろう。

 ここかしこ尋ねありきて、 「寅一つ」 と申すなり。
女君(朧月夜)、 「心からかたがた袖を濡らすかな 明くと教ふる声につけても」
 とのたまふさま、はかなだちて、いとをかし。
 「嘆きつつわが世はかくて過ぐせとや  胸のあくべき時ぞともなく」
 静心なくて、出でたまひぬ。夜深き暁月夜の、えもいはず霧りわたれるに、いといたうやつれて、振る舞ひなしたまへるしも、似るものなき御ありさまにて、承香殿の御兄の藤少将、藤壺より出でて、月の少し隈ある立蔀のもとに立てりけるを、知らで過ぎたまひけむこそいとほしけれ。もどききこゆるやうもありなむかし。

2016 月出(方位) 月入(方位)  月齢 日出(方位)-旧暦換算3月
3月26日(旧暦2月20日)20:42 (103) 7:19 (258)  17.0 5:49 (86)
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近刊予告『古典文学の常識を疑う』

 松田浩・上原作和・佐谷眞木人・佐伯孝弘編 『古典文学の常識を疑う』が印刷に回り、webにも公開されました。27.28日の学会でお披露目となります。

 知っているようで知らなかった古典文学。未解明・論争となっている55の疑問に答える。

第二部 平安朝時代文学
「国風文化」をどう捉えるか 渡辺秀夫
注釈学の発生メカニズムは解明可能か 東望歩
物語文学史の空白は書き換え可能か 渡辺泰宏
文献空白期の平安時代琴史 正道寺康子
諸本論は『枕草子』研究を革新できるか 山中悠希
五味文彦『『枕草子』の歴史学』の「新説」を検証する 津島知明
紫の上妻妾婚姻論は平安時代の結婚をどう読み替え得たか 鵜飼祐江
『源氏物語』の巻々はどのような順番で作られたか? 中川照将
『源氏物語』作中人物論の常識を問う 竹内正彦
『源氏物語』宇治十帖の謎 三村友希
『源氏物語』校訂本文はどこまで平安時代に遡及し得るか 上原作和
『源氏物語』の注釈書はなぜ思想書となったか 湯淺幸代
古筆研究はどこまで文学史を書き換えたか 仁平道明
作家の古典現代語訳はどのように推敲されたか 上原作和

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論を立ててから先行文献を探す。

 土曜日の報告の資料は月曜日に準備完了。参考文献はいささクラシカルな論文が多い気がして、さらに先行研究をリサーチ。パワーポイントに追加します。「論文は読むな、論を立ててから先行文献を探すように」と萩谷先生に繰り返しご指導いただいたけれども、なかなか履行でなかったところ、今回はようやく実現の見通し。
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父の命日

 15日は父の命日。位牌は弟と三つ作るのがしきたりなので、ひとつは書斎にあり、私なりに綺麗にしました。
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上野誠著『万葉集から古代を読みとく』

 著者から『万葉集から古代を読みとく』(ちくま新書)拝領。ありがとうござました。
 映画「君の名は」は、『万葉集』巻十、作者未詳歌「誰そ彼と われをな問ひそ 九月の露に濡れつつ 君待つわれそ」が通低音にあるから、万葉学者なら「ぜひ見るように」との勧めがあってご覧になった由。現代に折口信夫が生きていたら、アニメーションの映画監督を目指していただろうとする「はじめに」から一気に読ませます。「君の名は」はもちろん見ました。この映画の新海誠監督は国文学科出身であることと、私と同郷であることは、演習の学生の口頭発表で知りました。
 全九章からなるこの新書、ぜひ御高架をお願いします。
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「上格子事」『侍中群要』第一「日中行事」

『侍中群要』第一「日中行事」
上格子事

式/凡 毎日辰一刻上格子/
令殿司女嬬御燈払拭殿上女蔵人検察之/
午一刻供朝膳/
酉一刻供夕膳 侍女房仰供奉 于黄昏殿司供燈楼下格子 或随仰下上格子亦同
○辰一刻(午前 七時)格子を上ぐ 
○牛一刻(午前十一時)朝膳
○酉一刻(午後十七時)夕膳
○黄昏(たそがれ)于(よ)り、燈楼を供し、格子を下ぐ 或は仰せに随ひて格子を下げ上ぐるも亦同じ
 ※殿司女嬬(女の童、にょじゅ)=後宮において内侍司に属し、掃除や燈火等の雑事に従事した女官

『紫式部日記』寛弘五年秋
まだ夜深きほどの月さし曇り、木の下をぐらきに、
 「御格子参りなばや。」 「女官は、今までさぶらはじ。」
「蔵人参れ。」
など言ひしろふほどに、後夜の鉦打ち驚かして、五壇の御修法の時始めつ。われもわれもと、うち上げたる伴僧の声々、遠く近く、聞きわたされたるほど、おどろおどろしく尊し。

『新編全集』
○「御格子参れ」-ここでは前に屋外の描写があるので、下ろす意
○「後夜」-六時(日没・初夜・中夜・後夜・晨朝・日中)のひとつで明け方の四時頃。

 時系列で見ると、前夜の黄昏には格子を下ろしており、翌朝辰一刻(午前七時)に上げるというのだから、「下ろす」ことは不可能と言うことになる。


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GWを終えて

 3日の授業が節目となり、後半は遊びました。ただし、校正二つを抱えていたものの、月曜日に届くように返送。近々、ご紹介できるでしょう。
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