物語学の森 Blog版 2015年12月
物語学の森 Blog版
このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。
晦日の景

 ゲラに向かい、途中佐久インターチェンジ付近で買い物。浅間山は雲が覆っております。日が傾くとしんしんと冷え込みます。

2015-12-31 Thu 16:02
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樫山工業ライトアップ

 帰省しました。佐久市原の樫山工業ライトアップです。




2015-12-30 Wed 17:42
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追儺幻想-降りかかった災難(ブラック士業もどき)への対処法
  つごもりの夜、追儺はいと疾く果てぬれば、 <歯黒めつけなど、はかなきつくろひどもす>とて、うちとけゐたるに、弁の内侍来て、物語りして臥したまへり。内匠の蔵人は長押の下にゐて、あてきが縫ふ物の、重ねひねり教へなど、つくづくとしゐたるに、御前のかたにいみじくののしる。内侍起こせど、とみにも起きず。人の泣き騒ぐ音の聞こゆるに、いとゆゆしくものもおぼえず。<火か>と思へど、さにはあらず。
 「内匠の君、いざいざ。」
と先におし立てて、
 「ともかうも、宮(彰子)、下(一条院御所の東北の対)におはします。まづ参りて見たてまつらむ。」
と、内侍をあららかにつきおどろかして、三人ふるふふるふ、足も空にて参りたれば、裸なる人ぞ二人ゐたる。靫負、小兵部なりけり。<かくなりけり>と見るに、いよいよむくつけし。(略)
 式部丞資業ぞ参りて、所々のさし油ども、ただ一人さし入れられてありく。人びとものおぼえず、向かひゐたるもあり。主上より御使ひなどあり。いみじう恐ろしうこそはべりしか。納殿にある御衣取り出でさせて、この人びとにたまふ。朔日の装束は盗らざりければ、さりげもなくてあれど、裸姿は忘られず、恐ろしきものから、『をかしう』とも言はず


 『紫式部日記』寛弘五年(1008)師走晦日、一条院御所に泥棒が入り、靫負、小兵部が衣裳を剥ぎ取られる珍事件が発生。これなら笑い話ですが、晦日の夜、御所は消灯時間、女房は化粧直し、裁縫、男達は不在で警護が手薄だったことが分かります。
 
 昨日、某市民税課職員か真っ赤なうそをついたことを記しました。そこで思い出したのが、数年前、まったく洒落にならない『嘘』をついた方がもうひとりあったこと。この方は組織のコンプライアンス担当次長なる肩書きの方だったと記憶するので、「コンプ君」と呼んでおきます。まったくややこしい災難が降りかかったのですが、こちらのアクションに対して、このコンプ君、法令遵守どころか、まったくの無反応だったため、代理人を介して、法に定める保護期間に入ったことを確認する文書を送ったところ、それでも無視。しびれを切らした代理人が電話したところ、コンプ君の家来が「弁護士からお返事します」とのこと。ところが、この文書、受け取ってみると素人の書いたものであることが明らかで、話がかみ合わず、結果、どなたかへ出した文書の使い回しと判明。文面もそっくりの文例がブラック労務士のサイトに見つかり、ここからコピペしたものだったと言うお粗末さ。くわえて、弁護士のしかるべき流儀を踏まえず、一発で「偽弁護士」と分かる代物でありました。ひそかに「オレオレ偽弁護士事件」と呼んでおります。バワハラ指南の弁護士、労務士を、世間では「ブラック士業」と呼ぶことは最近知りました。これは自作自演のブラック士業。その後の展開は、ご想像にお任せいたします。だって法令遵守が必定の「コンプ君」だもの。

  「下人」ぢやなかった、コンプ君の行方は誰も知らない。         『羅生門』ふうに。

 時間が経って分ったことですが、この「災難」、極めて幼稚な思いつきから始まったことと判明。「コンプ君」は命令されて、嫌々後始末させられていただけではありましたが、あまりにも杜撰過ぎました。「コンプ君」に命令した人の話も春には解禁になります。
 いずれにしても、「この道」を「行けばわかるさ」そのものの世界でした。

  十年前には、「堀江メール問題」なるガセネタ事件があって、後味の悪い、不幸な結末に終わりました。「コンプ君」、それくらいたちの悪い話ではある。歴史に学びたいところです。

2015-12-30 Wed 00:01
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この道を行けばどうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし 
 今年の課題は、「ガバナンスを問うこと」。これは組織のそれでもあり、自身の課題でもある。不確かな情報に振り回されないこと。時間がかかっても、信念を持ってこの道を進んでゆくこと、退路なし。

「この道を行けばどうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし 
踏み出せばその一足が道となり その一足が道となる 迷わず行けよ 行けばわかるさ」 


『猪木寛至自伝』(新潮文庫)には、一休宗純の言葉としてありますが、実際は 清沢哲夫(のちの暁烏哲夫)氏の詩「道」で、『無常断章』(法蔵館、1965年)所収、初出「同帰」第335号(昭和26年10月)。

2015-12-29 Tue 08:36
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桃薗文庫展展示目録・解説二種



 後輩に当たる中国語の先生が、「桃薗文庫展展示目録・解説」を下さいました。内容は同一ながら都合二種あるようです。同窓の存在はありがたいことです。

 facebookで話題の「葵巻古註」、東洋大学古典文庫旧蔵書にはなく、早い段階で売りに出たようです。同じく古典文庫から影印も刊行された、いわゆる「伏見院本源氏物語」は聖徳大学川並弘昭記念図書館現蔵。気にかけて宿題にしておきます。


2015-12-28 Mon 07:05
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今年の仕事-こつこつぼちぼち
○編著『三橋正さんを偲ぶ』三橋正先生お別れ会事務局 編集 桃源文庫. 2015.03.01 /100頁
○編著『論文演習2014』上原作和 編集 明治大学法学部国語科. 2015.03.05 /44頁
○編著『竹取物語の新世界 知の遺産シリーズ1 』*曽根誠一・上原作和・久下裕利編集 武蔵野書院 2015.10.20 220頁
○編著三橋正著『古記録文化論 』上原作和・小宮和寛編集 武蔵野書院 2015.11.07 432頁
○論文「阿仏尼本「帚木」巻本文の宗本的性格」『源氏物語本文のデータ化と新提言4』平成26年度科学研究費補助金基盤研究(C)報告書、國學院大学文学部日本文学科発行.2015.03.31
○論文「大島本『源氏物語』本文注釈学と音楽史」『考えるシリーズⅡ②知の挑発 源氏物語の方法を考える―史実の回路』武蔵野書院・2015.05.20
○論文「文学史上の『竹取物語』」『竹取物語の新世界-知の遺産シリーズ1』武蔵野書院・2015.10.20
○論文「帝の求婚とかぐや姫の昇天」『竹取物語の新世界-知の遺産シリーズ1』武蔵野書院・2015.10.20
○その他「編集後記-棺を蓋いて事定まる」『三橋正さんを偲ぶ』桃源文庫・2015.03.01
○その他「『古記録文化論』解題」三橋正著『古記録文化論』武蔵野書院・2015.11.07

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2015-12-27 Sun 07:51
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通し狂言 東海道四谷会談



 今年最後の私的なイベントは、国立劇場で「通し狂言 東海道四谷怪談 三幕十一場」、のべ4時間。染五郎が初の三役だそうで、幽霊となったお岩に小平、とめまぐるしい変わり身で大きな拍手を浴びていました。父幸四郎との共演は、歌舞伎座の勧進帳以来、なんどか見ていますが、今回も堪能しました。専門家の劇評も予習していきました。学生にも勧めていることもあり、今後も出来る限り時間を見つけて歌舞伎に通う予定です。

 帰りは遠回りして、表参道ライトアップ、それにしても今日はどこも混雑・渋滞の一日でした。

2015-12-26 Sat 06:56
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「まほふ」は「真秀ふ」か
 昨日の釈文の不審箇所「二代めまほへど」の動詞「まほふ」は『日本国語大辞典第二版』によると、動詞の用例は採録されていませんが、(「まほ(真秀)」の変化した語)ではあるようで、名詞「まほ」だと、「一代め」のあり方の叙述だとして以下の4つのカテゴリーが該当しそうです。

(1)物事が完全であること。そなえるべき条件がよく整いそなわっていること。また、そのさま。→偏(かたほ)。
*落窪物語〔10C後〕一「この落窪の君の御事、まほに知り侍らず」
(2)遠慮なく正面きって事をすること。あらわに内心を行動に出すこと。また、そのさま。
*小馬命婦集〔980〜983頃か〕「人しれぬかげとや頼む葦のほのけふはまほにも出にける哉」
(3)まともな態度をとること。まじめにきちんとした態度をとること。また、そのさま。
*源氏物語〔1001〜14頃〕若菜下「高麗の青地の錦の、はしさしたるしとねに、まほにも居で」
(4)正式であること。また、そのさま。

 一日、一歩、先日から作成中の系図もまた新たな史実をみつけました。

2015-12-25 Fri 07:36
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地獄遠きにあらす己のをのれを責む 一休宗純



地獄遠きにあらす己のをのれをせむ
 極らく又眼前也 神すなはち我也
  神のみにて神めかみ也一代めまほへと
食と汁也けんやくをたえす家業をよくす 
 一盃のんてねたところ別極らく也獄門
 火罪這嶋追放みなこれ御慈悲の
説法也 
     紫野一休宗純書

2015-12-24 Thu 09:57
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デスクワークに専心
 人前で話す系の仕事は年内終了。ゲラと原稿に専心できます。ひとつにサポートを申し出たゲラも預かっているのですが、物語作者が複数いると言う前提の御説が核心部分。ところが、その作者のひとりが最重要副文献資料の日記には「出てこないが」とあることに気づいて吃驚。初出も頂いていたのだけれども見落としていました。書評等も目を通していたつもりでしたが、指摘はありませんでした。どちらかと言えば一般向けの書籍の扱いで、学術系の書評はあまりないこともあるのでしょうが、年末年始注視して見ておきたいところです。当面の最重要宿題は『琴學史』の再校と書評。ともに音楽関係の本。
2015-12-23 Wed 08:43
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