物語学の森 Blog版

このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。

9年ぶりのメンテナンス

 6月の事故で自転車が全体的にゆがんでいるように思ったので、時間を見つけてメンテナンス。調べてみたら、9年ぶり。前回、自転車屋のおじいさんに、「車はベンツに乗ってても、自転車には金を掛けない人種」みたいなことを言われて、むしろ好感を持っていたところ、耳と腰が悪くなったそうで、ちと心配。二十年以上乗っているので、ぼちぼち限界ですが、大事にしたい愛車です。

 ※ もちろん自動車はベンツではございません。
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『三国志演義』「空城の計」

 

 『三国志演義』「空城の計」にも諸葛孔明が重要な局面で古琴を奏でることにより、難を逃れる「空城の計」があります。
 第一次北伐で、馬謖が司馬懿に敗北したことを聞き、諸葛亮はわずかな兵で、陽平関の城に兵糧を取りに向かう。そこに司馬懿の軍15万がやってきた。諸葛亮の兵は2000。そこで、「空城の計」を図った。
 敵陣に臨み、司馬懿の見たものは、古琴を奏でる孔明であった…。
 
 司馬懿が撤兵を始めたところ、琴の絃が切れ、孔明は難を逃れたことを知り、司馬懿を、知音だと悟る。となると曲は「高山」か「流水」と言うことになります。

 このドラマ動画『三国志-Three Kingdoms』でも古琴に据え方が微妙、孔明は手パクなり。
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『レッドクリフ partⅠ』と諸葛孔明の「流水」


 先日、呉文光の「広陵散」と諸葛孔明の琴楽について触れました。正確には『レッドクリフ partⅠ』 「音楽での対話」の一場面。

 孔明と周瑜が、互いに腹の探り合いをしながら、降伏か、決戦かへの意志を固めてゆく場面。冒頭は、周瑜の琴曲「流水」に孔明が合わせて心を通わせ始めるという場面で「伯牙絶絃-知音の故事」が用いられています。曲の中でも最も難しい、水がほとばしり流れる場面を合わせています。その後、興に乗ったふたりは「広陵散」のクライマックスを合奏し、言葉に出さずとも戦への意志を固め、杯を交わす、と言う話になっており、「part Ⅰ」では最も重要な場面と言えるところのようでます。
 中国語字幕では「他的琴音已経給了答案」、日本語の吹き替えでは「琴-こと」と聞こえましたが、日本語の字幕を確認すると、
 周瑜の周辺「本題も語らず去るのか」
 孔明「答えは弦にあった。周瑜殿は戦う」
とあるようです。中国では琴の文化が浸透しているので解説は不要なのでしょうが、日本語スタッフには故事や逸話が理解されていないところが、玉に瑕と言うべきか。

  この場面の日本語字幕を紹介するサイトです。 架蔵DVDの字幕とは訳が異なり、複数のバージョンがあるようです。しかも、周瑜の琴の置き方も間違っていることが、はっきりわかります(琴軫が机に載っていること。安定しない上に音が狂います)。
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秋の新刊大詰め。

 秋の学会シーズンに向けて新刊大詰め。『竹取物語』の論集はすでに印刷に回り、遺稿集は来週がいよいよ勝負となりました。緊張。
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黒板伸夫「母なん藤原なりける」

 黒板伸夫「母なん藤原なりける」「鶴見日本文学会報」 41号、1997年6月

上記の論文は、この春、調べていた『伊勢物語』の「三芳野」の重要な文献。ただし、所蔵図書館が少なく稀覯書とも言えるので、先週、最後の夏休みを利用して国文学研究資料館で複写してきました。 源平藤橘と括られる名門氏族の任官の実態について、平易に、しかもちょっとしたユーモアも書き添えてある珠玉の名文です。

 参考文献とした愚説は、研究所の紀要論文として近々公開します(諸般の事情で公開が遅れております)。
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黒板伸夫「随想 モーツァルトとの半世紀」書誌

モーツァルトとの半世紀① / p75~82 清泉文苑 (4) 清泉女子大学人文科学研究所 1987-03
モーツァルトとの半世紀② / p102~109 清泉文苑 (5) 清泉女子大学人文科学研究所 1988-03
モーツァルトとの半世紀③ / p117~125.136 清泉文苑 (6) 清泉女子大学人文科学研究所 1989-03
モーツァルトとの半世紀④ / p73~79 清泉文苑 (7) 清泉女子大学人文科学研究所 1990-03
モーツァルトとの半世紀⑤ / p92~97 清泉文苑 (8) 清泉女子大学人文科学研究所 1991-03
モーツァルトとの半世紀⑥ / p61~67 清泉文苑 (9) 清泉女子大学人文科学研究所 1992-03
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 黒板伸夫先生(1923-2015)には、『摂関時代史論集』1980年、『平安王朝と宮廷社会』1995年、いずれも吉川弘文館がありますが、単行本未収録論文、随想もあります。
 この「モーツァルトとの半世紀」は回想録とも言える内容で、生い立ちや奥様とのなれそめ、戦前戦後を生きた歴史学者の生涯を知る上で重要な文献。国立国会図書館では、一部デジタルアーカイブ化されているようです。
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阮籍『酒狂』三題

 

 打譜は 『神奇秘譜』(1425年)。
 
詠懐詩 
夜中不能寝 夜中能く寝ず
起坐弾鳴琴  起坐して鳴琴を弾ず。
薄帷鑒明月  薄帷より明月を鑒(み)る。
清風吹我襟  清風我が襟を吹く。
孤鴻號外野  孤鴻して外野に號す。
翔鳥鳴北林  翔鳥北林に鳴く。
徘徊将何見  徘徊して将に何を見む。
憂思独傷心  憂思して独り傷心す。

こちらは合奏パターン。中阮は竹林の七賢・阮咸の愛用した楽器「阮咸」を改良したものと言われる。


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お茶の水の亀




 校門前はよく通り過ぎてはいましたが、はじめてお茶の水女子大学にお邪魔して物語研究会例会。通算380回になると言う。創設以来43年、ここ40年来は大会1回例会9回ペース、11月は入試等で参加者が激減するので、9月に例会を実施するように変更してからも、もう随分経ちました。

 休憩中に見つけた亀のように、萬年の齢を保てますように。
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呉文光「広陵散」



 呉文光 (Wu Wenguang) 1946年、江蘇省常熟市生。中国音楽学院講師、中国音楽館館長、古琴芸術国家級非物質文化遺産代表性伝承人(日本の人間国宝に当たる)。中国古代音楽の史学研究に突出した業績を残す。

  「広陵散」は、『源氏物語』「明石」巻にも見える。文献史的には梁末の弾琴の名手、丘公撰の「碣石調幽蘭第五」巻末の琴曲目録(唐代書写)にもその存在が記される。
 近くは金城武主演の「レッドクリフ」で、周瑜が曹操との応戦の決意を固める緊迫したシーンで、この曲を掛け合い式の合奏で競うシーンがある。曲想に叶った選曲。詳しくは拙著参照のこと。

 
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龍翔操 / 孙瀛



 コンクールの模様か。龔一ら著名な音楽家が演奏を聴いています。運指巧みです。
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