物語学の森 Blog版 2014年08月
物語学の森 Blog版
このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。
翻刻掲載「歌と評論」昭和21年10月号
歌と評論S21-10-00

 今秋刊行予定の研究会機関誌に、旧桃園文庫内芙蓉山荘蔵「歌と評論」掲載の池田亀鑑「佐渡と源氏物語」を全文翻刻します。現在、鋭意編集中。

 ※「芙蓉山荘」は、池田亀鑑の私設秘書・木田園子氏の旧蔵書。画像は研二先生からいただきました。

 
2014-08-30 Sat 08:51
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『少女の友』実業之日本社、昭和22年12月号
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 版元の実業之日本社は近所に倉庫があり、ゴルフ、アウトドア雑誌で知られますが、戦前戦後は『少女の友』が代表格。その雑誌に萩谷先生が連載していたことは知っていましたが、そのひとつを入手。この連載そのものはすでに一冊にまとめられています。


ボクおじさんの昔話

 その後、JOAKの「仲良しクラブ」「お早う番組」の原稿を書いていたことはすでに記しましたが、タイトルからして、村岡花子の「ラジオのおばさん」「ごきげんようのおばさん」の向こうをはっていたことを、最近、ようやく理解しました。


「先ず、「少女の友」誌には、日本放送協会文芸部の故中川忠彦氏のご紹介を得て、故サトウ・ハチロー氏の連載が打ちきりになったあとを受けて、昭和22年度の残余の四ヶ月を、急遽穴埋めとして、執筆の機会を得たもので、弱冠二十九歳の当時、なかなか晴れがましい思いがしたものである。」「おわりに一言」『ボクおじさんの昔話』笠間書院、1986年9月

 100周年記念号の話

2014-08-27 Wed 07:07
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学説史と客観性
 いったん擱筆した論文ではあるものの、長くなったのでふたつに分割、別の雑誌に載せてもらうこととします。分割の過程で気になったのは、『紫式部日記』の御冊子作りの記事が、『源氏物語』ではないとする説。最近では西の研究者から相次いで発信されていますが、学説に地域性があるって、なんか変じゃありません?

 局に物語の本ども取りにやりて隠しおきたるを、御前にあるほどに、やをらおはしまいて、あさらせたまひて、みな内侍の督の殿にたてまつりたまひてけり。よろしう書きかへたりしはみなひき失ひて、心もとなき名をぞとりはべりけむかし。

 この「物語」を『源氏物語』と特定したのは、池田亀鑑で、『源氏物語大成』には、『源氏物語』諸本の起源に草稿本と浄書本、献呈本があったことを前提に立論されています。浄書本には手控えのものと献呈本(これも二セットずつ)があって、「三種五セット」が存在したことになっていました。阿部秋生の長編論文「別本の本文」『源氏物語の本文』(岩波書店、1986年)もこのことと、別本諸本の本文伝播とを検証し、それがどうにも論証できない過程を報告した労作でした。
 確かに、「物語」としか書いてないので、紫式部が他にも物語を書いていたのかもしれませんが、『源氏の物語』を一条天皇の前で朗読していたくだり、『源氏の物語』を前に感慨に耽るくだりとがあれば、蓋然性が高いことは疑えない。「確言できない」と言うことに留まろうかと思います。学問の客観性は、「装う」こともあるということ、論述試験に「満点」がつかないことに似ているような気もします。このあたり、加藤さんの近著の論証は押さえておく必要があるようです。



『源氏物語』前後左右『源氏物語』前後左右
(2014/05/29)
加藤昌嘉

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2014-08-25 Mon 07:57
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傳能因所持本『枕草子』と鶯塚
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 先日訪ねた若草山山頂は『枕草子』ゆかりの地。ただし、記憶が曖昧だったのは、諸注本文異同がある上、解釈も割れていたからなのでした。
三巻本『枕草子』校訂本文の代表格『新潮古典集成』を掲げます。

 陵(みささぎ)は、
   小栗栖(をぐるす)の陵(みささぎ)、
    柏木の陵(みささぎ)、
      雨の陵(みささぎ)。
頭注は「これまた陵墓三幅対の連想。
○三巻本に「うくるす」とあるのは、「を(乎)」「う(宇)」の字体相似の本文転化と見て、山城国宇治郡の木幡に、醍醐皇后の藤原穏子の宇治陵、村上皇后藤原安子の中宇治陵を始め、冬嗣の赤塚、基経の狐塚、時平の三十番神塚等、藤原氏歴代にゆかりの陵塚が集中しているのを取り上げたと考える。或は、能因本の「うぐひす」に従って、『大和志』にいう鶯山山頂にある仁徳皇后磐之媛命の平城坂上墓を考えるべきか
○奈良市の西南に大字柏木があり、五万分の一の地図には標高60.4メートルの古墳が印されている。いわゆる「柏木の杜」である。能因本は「かしは原」と改訂して、諸注は桓武天皇の柏原陵を建てている。
○小来栖の柞原→佐保山の柞の森→平城左京の柏木の杜→雨の森(漏り)の縁で、雨の陵が引き出されたか。諸注は「天の陵」として天智陵や聖武陵を当てる。」

 ところが、傳能因所持本となると、『完訳日本の古典』では、

  みささぎは、うぐひすのみささぎ、かしは原のみささぎ、あめのみささぎ。

 とあって、「鶯の陵は大阪府百舌鳥の仁徳陵の別名説などあるが未詳。柏原の陵は京都市伏見区の桓武柏原陵か。あめ(天・雨)の陵は未詳」と注記があります。

 小来栖、伏見の柏原陵も三年前の宇治行で通りました。京の人にもこちらのほうが土地勘はあるでしょう。ただし、心情的には、『集成』二案(傍線部)を起点に奈良の陵墓「鶯塚」から柏原、近隣する「天智・聖武」御陵の三幅対の連想と考えたいところです。




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2014-08-23 Sat 08:18
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サヨウ奈良



 炎暑の三日間、奈良女子大学を会場に物語研究会の第43回の大会を終える。お世話になりました。またお疲れさまでした。左写真奥は、奈良女子高等師範学校創設当時の建物(重要文化財)。右は、付属小学校の記念パネルを説明する、この小学校のOBかつ研究会の創設メンバー。安萬侶ツアーでも解説付きでお世話になりました。




 お昼で解散後は近鉄で堺市を周回。JR堺市駅の親切な駅員さんのアドバイスを賜り、最短時間での大阪京都横断を試みる。新幹線ではもちろんウトウト。吉祥寺駅からの西武バスで九時に帰宅しました。
翌朝、ボクの愛車をベッド代わりにしている猫と目があったので写真を一枚。お盆休みのベッドはどこにしていたのかな。

2014-08-21 Thu 06:04
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太安萬侶、そして若草山

 奈良滞在中。二日め午前は太安萬侶の墓を尋ね、さらに若草山から古都奈良一望しました。

2014-08-20 Wed 07:39
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温泉巡り

 松原湖にある八ヶ峰温泉は八ヶ岳が一望出来るはずが、曇天で影さえ見えず。翌日は、小諸菱野温泉常磐館、雲の助に乗って露天風呂に向かう。小雨の日は笠を被って入ります。風呂上がりは、かき氷。

2014-08-17 Sun 08:46
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千曲川の花火

 うまく撮れない!ストレスです。

2014-08-14 Thu 20:36
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部屋割



 某大会参加者の部屋割。シングルの人を除き、デラックスツイン、ツイン、トリプルとそれぞれ振り分ける。まさにパズルでありました。奈良の旅、充実した三日間にしたいものです。
2014-08-12 Tue 06:20
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古本『竹取物語』ノート
 6日に全訳完成のご連絡を頂戴しました。たいへんな労作であると思います。ご覧あれ。

かぐや姫と絵巻の世界―一冊で読む竹取物語 訳注付かぐや姫と絵巻の世界―一冊で読む竹取物語 訳注付
(2012/11/19)
上原 作和、 他

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2014-08-10 Sun 08:30
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