物語学の森 Blog版 2014年07月
物語学の森 Blog版
このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。
増尾さんのお通夜へ
 山梨からいったん帰宅して、都心縦断で横浜長津田の北部斎場へ。早めに到着したもののすでに多くの弔問の列が出来ていました。それにしてもたくさんの人たちでした。広い人脈はその人柄を慕っていたからだと思います。

 お焼香の順番を待っていたところ、目にとまったのは在りし日のご家族との写真。研究室に「おとうちゃんのへやにかざってね」とお嬢さんの描いた似顔絵があったことを思い出しました。「うちのむすめがさぁ~」と相好を崩して話される声が聞こえてきそうな気がしました。

 ものけん系+思想史の四人で長津田で増尾さんを偲ぶ。「上原君はどうやって増尾さんと知り合ったんだい」と尋ねられて我が身を振り返ると、「<君が手馴れの琴>考--長屋王の変前後の文人貴族と稽康」(「史潮」29号、1991年)を拝読して「この人は凄いよな~」と若い思想史研究者に話したところ、増尾さんの主戦場の道教文化研究会が早稻田であるから連れて行って会わせてあげようと言うことになり、二次会にも参加。すでにボクの論文にも目を通されていて、いろいろな指南を賜りました。その後、小嶋菜温子さんの『かぐや姫幻想』の書評をお願いしたところ、仙薬・丹薬に関する最新の研究成果をもとに話して下さいました。それ以降、立教主催のシンポの常連となり、「増尾さんを立教に独占された!」とこちらが嫉妬するほどの、八面六臂の大活躍でした。増尾さんの単著は生前は一冊のみ。『著作集』はぜひとも揃えたいと思っています。

 最近では、休刊直前の『解釈と鑑賞』でご一緒していました。企画段階で増尾さん軸の編成が固まり、大変豪華な誌面となりました。

 電車、バスと乗り継いでひとりだけになると、急に寂しさが襲ってくる…。こういうのをほんとうの「寂しさ」というのだろう。



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2014-07-31 Thu 08:06
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殿、御乱心
 こういうのを「殿、御乱心」という。
2014-07-30 Wed 05:21
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旅の途上で。
  三日連続して遠征。初日は糸魚川9時なので、前日実家入りしてあさ5時に発ち、上田から延々と北上。奇跡的な接続が存在することを知る。

 増尾さんも旅の人でした。最初の初任地が大阪、さらに豊田、そして八千代。関東に戻ってきたのに、横浜から千葉勝田台までの通勤時間は豊田までの新幹線と変わらなかったとお話しなさっていた。その途上で倒れられたとは…。悲しい。

98年、明治大学の旧校舎で行われた物語研究会では、ご自身、高校が日向一雅さんの後輩に当たると言うことで、林雅彦先生たちと発行されておられた同人誌の話題を枕になさっての報告があり、その博覧強記が遺憾なく発揮されたことにまたまたびっくりしたことを思い出します(論文はのちに「日本文学」に掲載。増尾さんは山梨、石和のお生まれ)。
 発足当時の筑波大学は歴史学専攻とは言いながら、文学志向の方で、国文学の講義も積極的に学ばれたとのこと、その学風に伊藤博、中西進らの学問も重低音として流れていました。
 かくのごとく、つれづれにいろいろなことを思い出しています。今日はその山梨に出向きます。


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2014-07-29 Tue 05:51
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増尾伸一郎さん逝去。
 25日、増尾伸一郎さん逝去。まだ57歳、訃報メールにショックで呆然。信じがたいことだけれども、事実のようです。2008年夏の湯河原での物語研究会大会がご一緒した最後となってしまいました。

 今から十五年ほど前、大学講師になりたての頃、兼任で呼んでいただき、研究室でいろいろな話を聞かせていただいた。増尾さんとの思い出は楽しいことばかり。人脈も広汎で、その学問領域も驚異的な裾野を持つ碩学でした。アジア遊学『琴の文化史』も増尾さんの後押しがなければ実現しなかった企画です。ほんとうにお世話になりました。ご冥福をお祈りします。


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2014-07-27 Sun 08:25
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前田邸洋館



 炎暑の中、駒場の日本近代文学館で戦後の女性雑誌の記事等の資料収集。水分はこまめに取りましょう。
2014-07-26 Sat 05:38
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竹取媼のことば
  『竹取物語』のレポートは、ひとりひとり面談しながら受け取りました。なかに竹取媼の発言が少ないことに着目した人あり。これにはまったく気がつかず、まさに「目から鱗」のパウロ状態。ちなみにこの人はボクの高校の後輩。昨年、母校に伺ってお話ししたときには欠席していたらしい(苦笑)。竹取論文二本抱えるとうほうにはありがたく、うれしいことでした(何らかのクレジット入れます)。
 あるいは、教科書の注記の印旛沼の龍の伝承に着目して古伝承を精査してくれた人もありました。この講義、今しばらく続けたいと思います。

 

  
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2014-07-25 Fri 06:58
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物語の楽へのアプローチ。
 先日土曜日の某学会では、卑説に関する口頭報告があることがわかっており、気にはなっていたもののの、白楽と市川では物理的に無理だと判断、共同研究をともにするS先生がご参加なさるということで委細お任せしました。

 物語に描かれた音楽を、文献だけで読もうとすることには無理があり、実際、今も残る太古の遺音から学ぶ必要があります。王昭君の琴曲は、「龍翔操」として現存します。同時代言説を聴覚的にも学ぶ必要があるわけです。



2014-07-23 Wed 06:30
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自分好みに育てたかった !?
 連日報道の少女誘拐事件はあっけない幕切れ。小学生女子を「自分の妻です」とか「自分好みに育てたかった」とはどこか聞いたことがあるような、変態オヤジ的願望につき、ちと頭痛がします。

 『源氏物語』の「紫上」をかくのごとく分析するのも、ジラールの『欲望の三角形』的に考えるとそら恐ろしくもあります。あくまで観念の世界の分析であれば、物語は学問として成立するし、自己形成過程で社会性が確立していれば実践しません。やはりどこかでこの過程になんらかの欠落があるのでしょう。



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2014-07-22 Tue 06:56
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15週か時間延長か。
  授業時間確保は、各大学横並びに90分15回で揃えているのだと思っていたら、105分13週と言うところもあるらしい。いろいろ試行錯誤してみるのもよいかもしれません。学生時代は七夕=期末試験というようなイメージだったと思い出しました。この頃は半期トータル12回ぐらいだったことになります。休講の多い先生は、なんだかんだで月3回一回休み。こういう先生に限って業績も寒かったりします。研究者が残すものは結局業績。まじめかつひたむきでない人はこの業界不向きと言うことか。でもこの基準で不向きな人もキャリアが足りていれば勤まっていることもある。不思議な世界であることだ。
2014-07-21 Mon 06:48
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便利になった東横線乗り入れ
 神奈川大学で物語研究会例会。行きは大泉学園駅、帰りは朝霞駅を利用したところ、バスの乗り替えいずれもスムーズ。少し前なら、旅に近い感覚の移動も苦にならないレベルにまでなってきました。

 委員を務める夏の大会の申し込みも順調、近年にない盛会となりそうです。

2014-07-20 Sun 06:43
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