物語学の森 Blog版 2012年01月20日
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大島本『源氏物語』に慶應義塾大学所蔵の時期はない。
2012-01-20 Fri 08:23
源氏物語と鎌倉―「河内本源氏物語」に生きた人々 (銀鈴叢書)源氏物語と鎌倉―「河内本源氏物語」に生きた人々 (銀鈴叢書)
(2011/12)
織田 百合子



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源氏物語受容の諸相


上記二冊を勉強中。そんな昨日、ウィキペディアを見ていて腰を抜かしそうになりました。かの大島本『源氏物語』に関して、慶應義塾大学所蔵の時期があったと書いてあったからです。記述を読むと、それが縁で斯道文庫で調査が為されているように書いてありましたが、引用されている文献には、そんな記述はありませんから、引き合いに出された研究者もさぞ迷惑しているだろうと思われます。当ブログも御覧のようですから、早急に書き改めて頂き、巷間に誤伝が流布しないようにお願いします。

 そもそも、斯道文庫の母体は、総理大臣まで輩出した麻生財閥の蔵書から出発して今に至ることは周知のことのはずです。

 大島本は、昭和5年(1930)に佐渡田中家から池田亀鑑の許に貸与され、調査がなされました。昭和8年(1933)に大島雅太郎が田中家から購入した後も引き続き桃園文庫で調査が続けられていました。
その後、戦後の財閥解体、財産税による経済的逼迫により、昭和23年頃(1948)、大島氏の強い希望で、小汀利得に譲渡され、その間、重要文化財指定が昭和33年(1958)。さらに昭和43年(1968)、小汀氏の好意的な譲渡により、古代学協会蔵となったことは、角田文衛先生の御著書『紫式部伝 その生涯と「源氏物語」』(2007年)、それを引用しつつ整理したボクの最新刊『光源氏物語傳來史』に明記してあります。ぜひぜひご参照下さい。
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