物語学の森 Blog版 2011年06月
新聞記事復刻-「モディ氏逝く 神戸の奇人」
2011-06-28 Tue 07:02
「朝日新聞戦前データベース」から重要記事を復刻しています。その第一弾です。

  神戸オリエンタル・ホテルの三つの特別室にとぢこもったまゝ十七年間全く浮世と絶縁し金にあかして蒐集した時価二百万円に近い日本の古代時計や蒔絵の蒐集品に埋まって暮すインド人――百万の財を抱えた人間嫌悪症のホテルの奇人N.H.N.モディ氏が十日午前八時三十五分脳溢血のため忽然と死去。七十二年の奇人生涯を終った。
○ モディさんの人となりを説明すると香港開拓者でありかつ香港大学の創立者として英国貴族に列せられた名家の嫡子で、来朝中にたま/\横浜で関東大震災にあひ、昭和三年四月から神戸オリエンタル・ホテルに蟄居、すでに廿余万円からのホテル費を拂って悠然、しかもこの間蒐集した多数の古代時計、蒔絵のために倉庫を借り切ってゐた。時計蒐集家としても著名で最近は日本精神なども研究していた。
○ みとるものは僅かに取引先の骨董商四、五人に過ぎず、葬儀、資産処理は兵庫県当局で近く処理することになってゐる。なほ彼の美術品は「完全に保存して呉れる者があればその人へ委託したい」といふのが彼の希望であったので、関係機関では早くも記念美術館設立の計画が樹てられてゐる(神戸)   朝日新聞 昭和十九年二月十日 木曜日 夕刊 二面

写真-1941年当時、オリエンタルホテルでのモデイ氏。


modei19410806.jpg
別窓 | モディ | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
小峯和明・増尾伸一郎編訳『新羅殊異伝』
2011-06-26 Sun 07:54
新羅殊異伝 (東洋文庫)新羅殊異伝 (東洋文庫)
(2011/06/11)
不明

商品詳細を見る


 増尾さんから拝領。いつもありがとうこざいます。新羅は我が家の『延喜式』にみえる「武蔵国新羅(にいくら)」由来の地。海波からの説話の伝播を唐代ルート以外にも考えなくてはならないことは承知していますが、勉強はこれからです。下記の本も必読文献。

朝鮮民譚集朝鮮民譚集
(2009/10/10)
孫晋泰 (著)、増尾伸一郎 (解題) 他

商品詳細を見る


 この秋に三つ目の論文集をまとめることにしました。書き下ろしの文章もたくさんあります。乞うご期待!
別窓 | 日記を物語る Blog 版 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
『断腸亭日乗』の中の高木文。
2011-06-23 Thu 07:08
 永井荷風の『断腸亭日乗』に、南葵文庫司書の高木文が何度も出てくることを知り、全集を借り出しました。巻末に便利な索引があり、助かります。荷風は高木文の仲介で成島柳北の子孫である大島隆一と会い、柳北の日記を借りて毎日のように読み、さらに筆写まで始め、大正15年10月31日から昭和2年6月6日まで、これを註記しながら1年7ヶ月程かかって完成させていたのでした。関連の記事では高木夫人も出て来ました。荷風と高木の交流もなかなか面白いので、いずれまとめて紹介します。

『断腸亭日乗』

大正15年7月14日「晴れて暑し。午後曾て高木氏より聞きたる大島氏来り訪はる。二十五六に見ゆ。成嶋柳北の孫なり。神戸市成嶋氏の家には柳北が安政頃より易簀の時まで書つづけし日誌在りと云ふ。晩間鷲津貞二郎来訪。」

10月20日「午前大嶋隆一氏其祖父柳北成嶋先生手沢の日誌書簡を古き革包に収め、来り訪はる。日誌は嘉永六年に始り明治十七年に終る。大嶋氏去りし後、直に日誌を読みて覚えず日暮に至る。銀座に行きて夕餉を食し帰宅後また日誌を繙き深更に及ぶ。霜露漸く寒く月明昼のごとし。」

10月21日「小春の好き日なり。…。午後柳北の日誌をよむ。安政元年より万延に至る七巻は硯北日録と題せられたり。…」

10月30日「・・・。夜半帰宅の後柳北が墨上日乗を読み畢りぬ。東の窗既に明く、鶏鳴きて電車の響聞え出しぬ。」

10月31日「病稍好し。終日柳北の硯北日録を筆写す。…」

昭和2年1月7日「…、燈下硯北日録の注釈をつくりて深更に及ぶ、雨歇みて夜少し暖なり」

同6月6日「晴又陰、成嶋柳北の日誌を写し畢る」
別窓 | 高木文 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
怒濤の週を終えて『曽我物語』。
2011-06-20 Mon 06:44
 第三週は会議の週。前期中もっとも忙しい週でしたが、無事乗り切って週末は池袋2days。立教での物語研究会は、パソコンルームで顔が見えない特殊な空間。疲れている割にはいざとなると頭は冴えていたと勝手に思っていいます。紹興酒ですっかり出来上がり、西武線の石神井公園駅で、予定通り眠りに落ちたボクを発表者で物語の主人公みたいな名前の某君に起こして頂き、無事に帰宅。

 日曜日、3月にベットで腰骨を骨折した叔母の見舞いに訪れた母を伴い、ふたたび池袋で『曽我物語』。今はなぜか同僚となってしまった男と伊豆を旅して頼朝、曾我兄弟ゆかりの地を尋ねた記憶がよみがえりました。ゆかりの神社に『曽我物語絵巻』もありました。
 お芝居はすべてに進歩している気がしました。ちなみに、ブログの分類巻名「生涯稽古」は池田亀鑑の好んだことばです。
別窓 | 生涯稽古の巻 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
阿部泰郎・錦仁編『聖なる声―和歌にひそむ力』
2011-06-17 Fri 06:11
聖なる声―和歌にひそむ力

 講師室で執筆者の清水眞澄先生より頂戴しました。ありがとうございます。

 新著予定の「目次」を作り、「書評」をとりまとめ、『源氏物語絵巻』の新旧全19面を並べて、詞書を翻刻したパワーポイント資料を作成中。繁忙期につき、どれも中途半端です。とくに「書評」は確りしたものにしないと申し訳ないので、何度も推敲しています。
別窓 | 右書左琴の巻 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
吉海直人著『住吉物語の世界』
2011-06-14 Tue 06:58
『住吉物語』の世界 (新典社選書42)『住吉物語』の世界 (新典社選書42)
(2011/05/25)
吉海 直人

商品詳細を見る


 吉海直人さんから拝領。『源氏物語研究 而立篇』(影月堂文庫、1983年)に入っていた「『住吉物語』の琴」を架蔵の挿絵と共に懐かしく拝読しました。ありがとうございます。

 今をときめく豪華キャストが出演しているという映画で、勤務先のキャンパスがロケで使われたということをパンフレットで知り、予告ムービーを探してみました。そしたら冒頭に、大学時代の同級生がエキストラで出ているではありませんか。「オヤジ、こんなところで何やってんだ!」としばし唖然。高校の演劇部の顧問をなさっておいでなので、休日の副業と言うことでしょうね。ちなみに、以前も書きましたが、主演の女優さんとは、図書館の裏ですれ違ったことがあります。
別窓 | 右書左琴の巻 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
李宇玲著『古代宮廷文学論―中日文化交流史の視点から』
2011-06-10 Fri 06:29
古代宮廷文学論―中日文化交流史の視点から古代宮廷文学論―中日文化交流史の視点から
(2011/06/20)
李 宇玲

商品詳細を見る


 著者から拝受。ありがとうございました。藤原克己先生の序文も懇切丁寧、かつ愛情に溢れるもので、まことうらやましい限りです。李さんの御論文は、「夕霧の学問」を「国語と国文学」で拝読し、以後、文業に注目させていただいていました。
 本書の要諦は、時代横断的な研究であること。奈良朝なら奈良朝、平安朝なら平安朝限定の研究はたくさんありますが、この点、通時的な視点と共時的な視点とのバランスも絶妙。いずれの研究者も文化交流史は今後必須の課題ですから、ぜひ御高架をお願いします。

別窓 | 源氏物語の巻 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
まだまだ研究史の更新が可能な大島本『源氏物語』。
2011-06-09 Thu 07:01
 講師室でお願いしておいた資料を入手。伝来史に関してはまったく動く気配のなかった大島本『源氏物語』の研究が、ここ数年で一挙に解明されるような気がします。ここまで詳細に書写者と思しき手蹟を示されるとなると、なかなか首肯してくれなかった同道の研究者もなんらかの反応を示さざるを得ないと言うべきでしょう。
 
 ようやく少し落ち着いてきたので、『海舟日記』を再読しつつ、毛利家関連の勉強も再開しました。この夏休みに一気に書き上げて、しばらく寝かせて発酵させておこうと思います。


毛利元就と地域社会毛利元就と地域社会
(2007/06)
岸田 裕之

商品詳細を見る
別窓 | 源氏物語の巻 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
新著続々刊行なる。
2011-06-07 Tue 07:27
紫式部と和歌の世界―一冊で読む紫式部家集 訳注付紫式部と和歌の世界―一冊で読む紫式部家集 訳注付
(2011/06)
不明

商品詳細を見る


 最新刊です。 
枕草子創造と新生
論文執筆しました。

狭衣物語|空間/移動
 拝受しました。まだまだ新刊が続きます。御高架よろしくお願いいたします。
別窓 | 源氏物語の巻 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
学会3賞受賞記念
2011-06-06 Mon 07:08


東洋大学で行われた、全国大学国語国文学会夏季大会に出席。三賞揃った今年、中西会長が歴代受賞者にもご褒美の記念品を下さることになり、再びの栄に浴することとなりました。中西会長、ならびに事務局の国学院、会場校の東洋大学の関係各位に厚く御礼申し上げます。
別窓 | 日記を物語る Blog 版 | コメント:0 | トラックバック:0 | top↑
| 物語学の森 Blog版 | NEXT