物語学の森 Blog版 2011年04月
物語学の森 Blog版
このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。
連休中も仕事、文庫調査、そして念校。
 世はゴールデンウィークなるも金曜日は仕事。兼任は来週から休日暦返上で始業となります。ただし、毛利家文書は地元を除けばこの大学のほうが史料は豊富だと言うこともあり、図書館に籠って勉強しようと思います。

 これに共編者の廣田先生に廻っている念校、書類作成、これを除けば時間はたっぷり。クールダウンには十分です。

2011-04-30 Sat 09:52
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『源氏物語』とは。
 『源氏物語』の概説をとりあえず終える。自分で作った教科書の解説を読んでもらうだけでは周辺をぐるぐる廻っているばかりで、物語の本質には近づけない気もします。そこで、十年以上前に書いた自分の文章を読んでもらう。事前に少し時間をとって各自辞書、パソコン等で予習してもらってから音読。

 要は、一通り読み終えてから各自が何を語ろうとしているのかを考えてもらうしかない、とのいつもの結論に至りました。当方はその水先案内人で良いように思います。ただし、前期は7月は第一週で打ちきりと来て、時間が足りなさすぎるのは致し方ありません。暑い夏をどう過ごしましょうか。

2011-04-28 Thu 07:49
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『紫式部と和歌の世界 一冊で読む紫式部家集訳注付』最終段階。
 武蔵野書院の『一冊で読む』シリーズの第二弾にあたる『紫式部と和歌の世界 一冊で読む紫式部家集訳注付』がようやく最終段階に入りました。昨秋には用意したかったのですが、慣れぬ校務に註釈、現代語訳が追いつかなくなり、共編者の廣田先生にはひたすらお待ち頂くことになりました。それでもなんとか学会シーズン前の刊行見通しが立ちました。
 ここでも震災の影響があって、指定業者が紙不足の他社のあおりを受け、あれこれと四苦八苦、なかなか予定通りにゲラが出来ません。土日返上で組んで下さった校正ですから、こちらも休み返上で見直しました。かたちになりましたら、この全註釈もどうぞよろしくお願いします。
 
2011-04-25 Mon 09:10
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大学のイメージ。
 新入生が大学のイメージを考えると言うのが今週のテーマ。「自由」「自己責任」「サークル」「アルバイト」中に「リア充」、「チャラい」と言う声もありましたが、前者は「なんだそれ?」と尋ねるしかありません。すでに30歳の年齢差、若者ことばが理解出来なくなっているわけです。それにしても「リアル」の意味がよく分からない。
 そこで大学のイメージとしてこんな映画を紹介しました。十年前だから誰も見ていませんでした。ロケのキャンパスには見覚えがあり、ボクにとっても懐かしい風景でした。
冷静と情熱のあいだ(通常版) [DVD]冷静と情熱のあいだ(通常版) [DVD]
(2002/06/19)
竹野内豊、ケリー・チャン 他

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 15年ほど前、池袋の東京芸術劇場で田中好子さんをお見掛けしたことがありました。当時、40歳前後、すっかり女優オーラを放っていましたが、やはり原点はキャンディーズ。時は残酷に過ぎてゆきます。


2011-04-24 Sun 08:03
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井野葉子著『源氏物語 宇治の言の葉』
井野葉子さんの第一論文集『源氏物語 宇治の言の葉』を拝領。「引用」を軸に二十年間の成果をおまとめになりました。内容のみならず、カバーから造本まで、井野さんのセンスを感じさせるお薦めの一冊です。
源氏物語 宇治の言の葉源氏物語 宇治の言の葉
(2011/04)
井野 葉子

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2011-04-21 Thu 12:50
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医学館総裁・多紀養春院の話
 この春、ひたすら大島本『源氏物語』の伝本流動史を考えていたとき、佐渡から江戸に医学修養で留学していた医師が、これを持ち帰ったのだろうと言う見込みを立てて、多紀養春院なる人物(通称・安琢、名は元琰)に行き当たりました。図書館で本も借りて読みましたが接点が見つかりません。ところが、注目のドラマ「仁-JIN」で2009年に放映された第六話多紀なる奥医師が登場するというので、第二シリーズを固唾を呑んで見守りました。

 学会の発表要旨を出した時点では分かっていませんでしたが、『源氏物語』などの古典籍を家財整理に出した侯爵家があって、その仲介をしたのが、やはりこのドラマにも登場する歴史上の人物であった訳で、結局、発表資料を開いてからのお楽しみと言うことになりました。ボクなりのサプライズを用意したことになるのでしょうか。ともあれ、後、ひと月、じっくり話を詰めてみます。

2011-04-18 Mon 10:42
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避難経路を確保せよ。
 金曜日、土曜日は全学横断型授業全68クラスがいよいよ始動。あらかじめご指名の SA さんのサポートよろしく、今年の船出は順調のようです。
 土曜日の二時限目、11時25分頃、携帯の緊急地震速報がなり始めてまもなく中程度の余震に見舞われる。避難経路は頭の中では分かっていますが、実際、どのように百人単位の学生たちを避難させるのかをもう一度再確認しておきたいと思います。

 午後は、日大文理学部で物語研究会例会。年間予定はあらかじめ固めず、数ヶ月単位で見極める。創設40周年記念論集もようやく動き出す。編集委員会はドリームチームだから、かたちになればその執筆陣からして、学界の耳目を席巻することは間違いなし。うちうちに「広募」手続きに関して注文を付けておいたので、総会ではこの件、黙っておりました……。避難経路を確保せよ。

2011-04-17 Sun 10:33
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震災から一ヶ月。
 震災から一ヶ月、大學の授業も始まりました。東京圏でも大規模な改革をしようとしていた大學が、震災の影響で新校舎の建設が間に合わず、一年ずれ込む話など、余波はじわじわ周辺に及んでいます。それでも桜は咲き、風に散った花は絨毯になり始めました。

 履修生には実家が仙台の学生さんもいましたが、泉区の被害はよそと比べれば、家屋の損壊は少ないとのこと。少し安心しました。「ヤサ男、先生、ヤサ男なんですね」と娘世代の学生さんに言われました。記憶しておきます。

2011-04-14 Thu 07:57
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桃園文庫蔵大島本『源氏物語』浮舟巻。
 地震で延期になった訪書遠征。東海大学図書館の桃園文庫へ。片道2時間強と踏んでいましたが、ロマンスカーが今週末まで運休のため、限りなく3時間近くかかりました。厚木より先は箱根に行くのと変わらないようです。
 せっかくだからと、大学前、ほぼ両親と同世代のお母さんが切り盛りする定食屋さんに入り、学生メニューでかなりカロリーオーバー。これで帰りも徒歩と決める。

 桜も満開、貴重書は紐の劣化もあり、ご担当の方に要所を捲って頂きました。もうひとつは、青焼き写真和綴製本の伝飛鳥井雅康筆『源氏物語』54帖。現存本にはない補筆とされる浮舟巻を念入りに調査しました。そもそも80年近く前の複製ですから寸法を計測することはしませんでしたが、本文、書き入れ註記の形態は他の大島本諸巻に同じ。「奥入」は第一次の本文。これに更に詳細な註記がありました。註記に引用される「草根集(そうこんしゅう)」は、

室町中期の私家集。15巻。正徹の歌を弟子の正広が編集したもの。文明5年(1473)の一条兼良の序がある。収録歌数1万一千余首。

 とあるように、やはり一条兼良の見解であるようです。つまり、補筆とはあっても、大島本の形態におなじ要素を持つ本だと言うことです。

 くわえて、この伝本は事前調査用の校合本で、半数以上の巻にペン書きで
 「以架蔵青表紙本一校了 昭和十年五月▲日 ▲△」
 とありました。「架蔵青表紙本」とは、「伝為氏筆榊原家旧蔵本」と傍記する巻もあり、ペンで「ナシ」等の校合がなされています。
 担当者は、能登路、足立、木田(園子)の三人で分担。さらに翌年、「宿木」巻には、再度三条西家本(現日大本)等で分担して校合され、その担当に((池田)辰郎・石清水(尚))(木田)、「手習」巻は、(辰郎・石清水)((斎藤(秀雄)-春名好重))(松村(誠一)(木田)(清田(正喜))とあって、この二巻のみですが、ご子息、門弟の参加を得て詳細な校合調査がなされていました。

 なお、校合された「伝為氏筆榊原家旧蔵本」は枡形本、補筆本「浮舟」巻は四半本ですから、形状が違います。あるいは、痛みがひどかったので新写本を作ったのでしょうか。
 
 それにしても、この複製本は、青焼き写真が一般に使用されるようになる前に導入されたもので、この辺り、最新の技術を導入する気概にも感銘を覚えつつ、充実感に満たされながら帰路に就いたのでした。
 
 ところが大江戸線の中井駅に着いた途端、余震で緊急停車、ダイヤが乱れるもなんとか桜散る夕暮れ時には帰宅できました。



 
2011-04-12 Tue 07:54
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桃の花。


満開の桜と共に、我が家の桃の花も力強く咲きました。あの地震の日、産休の先生の代打を仰せつかった再履習クラス、徐々に履修者が増えて、4人で分担したはずなのに、6割がボクに集中。多年度留年生もいる彼ら(彼女ら)がネットで履修情報を集めているとは思えませんが、こういう事も生き残るためには大事だよ、と伝えたい。そして、この桃のように、精一杯頑張ってる人こそ輝けるのが世の中のしくみなのだ、と少し生き方が下手な諸君に伝えたい。そう思っています。
2011-04-10 Sun 15:11
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