fc2ブログ
2011年04月 | Page 2 | 物語学の森 Blog版

「幸福の護符」としての「胡笳の調べ」

 7月発売、8月発行の月刊誌の原稿。来週学校の始まる前に片付けようと猛スパート。
『うつほ物語』のテーマ曲とも言うべき「胡笳の調べ」異説編。胡笳は葦笛を琴に移し替えたとされるものですが、この胡笳は「コカイン」の原料で、南米では「幸福の護符」として石灰と混ぜて服用されていたという話。天変地異を起こす奇跡の音楽の根源を考えています。コーラ飲料のひとつも実は「胡笳・コーラ」なのです。
 すでに、何年も前から考えていた話ですが、発表することにしました。ありがとう、のりピー。

 実は、ほんとうに大丈夫かいな、またまた赤っ恥路線かも、と危惧してはいます。

丘陵に四季はへめぐり。

 入学式。場所を東京国際フォーラムから学内の体育館に移し、三回に分けて実施されました。お決まりの来賓祝辞もなく、自然光を生かした手作り感のある簡素な式でした。行儀の悪いのは自覚していますが、ひな壇は緊張します。緊張する新入生の返事より、保護者の連れてきた赤ん坊のかわいい声のほうが響きました。

 最後に「校歌」。気になったのは「丘陵に四季はへめぐり」の「へめぐり」。折口信夫も好んだ語彙、言い回しで、「経廻」「歴回」とも書くようです。出典は『北野天神縁起』や『太平記』にも使われている由。落ち着いた語感が詩的想像力を喚起してくれるようです。

中川正美著『平安文学の言語表現』

平安文学の言語表現 (研究叢書)平安文学の言語表現 (研究叢書)
(2011/04)
中川 正美

商品詳細を見る


 『源氏物語と音楽』で知られる中川先生の本来のご専門である「語誌」に関する論考が一冊になりました。早い時期からデータベース化されたテクストをもとに、こどばの成り立ちと仕組みを究明して来られた成果。この本から奏でられる音や、季節の移り変わり、感情、感性のゆらめきを表す言葉の意味を考えるきっかけが生まれて来るはずです。ありがとうございました。

源氏物語と音楽 (IZUMI BOOKS)源氏物語と音楽 (IZUMI BOOKS)
(2007/05)
中川 正美

商品詳細を見る

慕情。

 相変わらず『海舟日記』精読中。慶応四年=明治元年条(海舟52歳)には近藤勇の変名(大久保大和)、土方歳三のことも勝海舟は把握していました。西郷吉之助との交渉に腐心し、文書を練る。静寛院や天障院には官軍方から下賜金が届けられてもいました。後年は、節目の日を除いて来訪者の氏名だけの記述も多くなるので、いかに緊張の日々が続いていたか分かります。

 夜、インターネットラジオ司馬遼太郎さんの『新撰組血風録』がドラマ化され、その主題歌として今日65歳になると言う吉田拓郎の新曲「慕情」が聞こえてきました。心に沁みるラブソングです。
 深夜放送は中学生時代からよく聞きましたが、当時、時代を席巻したパーソナリティーたちは、20代から30代前半の若者、まさしく新撰組の年代。そして今、あれから35年。気がつくと幕末の勝海舟の世代に限りなく近づいています。今日学んだことは、「気持ちの持ち方」。

源氏物語本文の研究

 國學院の豊島先生主宰の『源氏物語』本文に関する研究の研究成果を二冊拝領。

 システム化が進み、労多くして稔り少ない「本文」の研究も短時間で多彩な成果が得られるようになりました。これをどのように研究者に認知させ、広めてゆくのかが今後の課題です。

「みぞう」が「みぞゆう」に変わるとき。

 どうでも良いことですが、「未曾有」。漢字の読めない首相が「みぞゆう」と読んで話題になったはずなのに、テレビからは後者が頻繁に聞こえてくる気がします。言葉は生き物ですが、こういうかたちでの定着はいかがなものでしょう。
 4月1日、今日は研修二本にミーティング。キーワードは「気づき」と「発見」。研修しながら自分を研修です。
プロフィール

上原 作和

Author:上原 作和
サイト物語学の森の 「自己を物語る」「researchmap」をご覧下さい  

カレンダー(月別)
03 ≪│2011/04│≫ 05
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
FC2カウンター
最近の記事
最近のコメント
最近のトラックバック
月別アーカイブ
カテゴリー
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索
RSSフィード
リンク