物語学の森 Blog版 2011年02月
物語学の森 Blog版
このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。
日向一雅編『源氏物語と音楽』、三角洋一『宇治十帖と仏教』
 昨年三月のシンポジュウムが本になりました。
日向一雅編『源氏物語と音楽-文学・歴史・音楽の接点

目次
・はじめに

・平安時代の宮廷儀礼-御遊びの成立について … 豊永聡美
・源氏物語と唐の礼楽思想-物語に書かれなかった「楽」をめぐって … 江川式部
・『うつほ物語』の音楽-天皇家と七絃琴 … 西本香子
・一子相伝の論理-『源氏物語』秘琴伝授の方法 … 上原作和
・『白氏文集』から見た須磨巻の考察-諷諭詩・閑適詩における琴の特徴と差異 … 西野入篤男
・朗詠と雅楽に関する一考察  青柳隆志
・源氏物語の音楽-宮中と貴族の生活の中の音楽 … 日向一雅

・執筆者紹介

 青簡舎、2011年02月28日/\2800+税 250頁

また、三角先生より、この十年余の『源氏』研究の成果を拝受しました。いつもありがとうございます。こちらも第一章 「源氏物語と仏教」に「源氏物語と音楽」初出、「むらさき」2009年12月が収められています。

宇治十帖と仏教 (中古文学研究叢書)宇治十帖と仏教 (中古文学研究叢書)
(2011/02)
三角 洋一

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2011-02-27 Sun 10:10
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いまをどう生きるか。
 ニュージーランド・クライストチャーチの地震には考えさせられます。留学するという高い志を持って学んだ希望の地、しかも崩落したのは、留学生のメッカだと云うのだから、運命の巡り合わせというか、なんとも不運と云うしかありません。
 二十数年前、定年直前の恩師の講義を先輩が当時は高価だったハンディビデオに残しておいてくれました。
 
 「ボクは他の人の数倍にあたる仕事(研究)をしてきました」

 確かにその通りで、手掛けた作品に関する情報量はどの註釈書も群を抜くボリューム。修正箇所、批判はありますが、他の追随を許さぬものばかりです。

 結果論として、ある年齢で区切って比較すると、多作、寡作の研究者の二分類しかありませんが、「研究者として生きる」ことは、その証を残す他はありません。「前へ、前へ」の精神で。そう言えば、怠け者の先生にも厳しかったことを思い出します。

 ただ、恩師の「業績一覧」を眺めてみると、ボクの院生時代は、先生にとっての「クールダウン」時代。『枕草子』『清少納言集』の註釈を終えて、方法論を構築していた時代であったことが判ります。この「間」こそが大事と云うことでしょう。
 
2011-02-25 Fri 09:12
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ひまわり。
時間が出来て、何気なく見るようになった朝ドラ。主人公と本当の父はこの楽曲で結ばれていた!となれば、まさに『源氏物語』の音楽伝承譚を地で行くストーリー。なかなかさわやかな曲です。

2011-02-24 Thu 16:56
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『王朝女流日記を考える 』
王朝女流日記を考える 追憶の風景 考えるシリーズ 1王朝女流日記を考える 追憶の風景 考えるシリーズ 1
(2011/02/21)
不明

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 日記文学研究の最前線を知ることが出来る一冊。編者のお二人から頂戴しました。廉価にして有益なる一冊です。ぜひ御高架を。
2011-02-21 Mon 06:45
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氷川清話。
 ほぼ「海舟日記」と『氷川清話』を携行して、人物関係を組み立てながら読み進めています。時系列、時には時代を遡行しながら。流布していた『氷川清話』は没後の編集になり、当初の流布本の誤りは、江藤淳らの再編集本が、勝海舟の実像に近づける試みをしてあると言うことで、こちらで読んでいます。
氷川清話 (講談社学術文庫)氷川清話 (講談社学術文庫)
(2000/12/08)
勝 海舟

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2011-02-18 Fri 09:03
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マッコリ。


 久しぶりの新大久保・コリアンタウン、コリアスンデ家で渡韓する「貴史」さんの壮行会。このところ、「貴文」と誤記されること二度。大いに精進して名前を覚えてもらいたいものです。
 話は例によって例の如しの盛り上がり。なんと5時間以上も居座ってしまいました。いやはや楽しかったです。この世代が順調に伸びてきたのでもう安心。なんでもボクの葬儀委員長まで務めて下さるそうですが、当方の両親の兄弟は日本一長寿の町に住んでいて平均寿命が93歳。となると今、折り返し点ですから、ご用心?。

 もうひとつ元気な寅年の先輩、久保朝孝さんからは入魂の一冊『古典解釈の愉悦 平安朝文学論攷』(世界思想社、2011年)拝領。ありがとうございました。
 
古典解釈の愉悦―平安朝文学論攷―古典解釈の愉悦―平安朝文学論攷―
(2011/01/28)
久保 朝孝

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2011-02-16 Wed 07:56
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雪の週末。
 どうしたわけか、昨年同様、雪の週末は信州の温泉を予約しており、佐久平駅に降り立つと、浅間口のロータリーに小型トラックの父が手を振って、ボクを迎えに来てくれました。まるで、『北の国から 2011』のような光景。

 ところが、雪は小降りとなり、露天風呂に入る頃には風花が舞う程度となっていました。と言うわけで英気を養い、また、ぼちぼち仕事です。



2011-02-14 Mon 14:13
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反町茂雄「源氏物語蒐集と池田亀鑑さんと」
 時間を見てデータ入力をコツコツと。それにしてもOCRのリーディングはほんとうに精度が上がりました。活字にこだわった反町さんの著作は、「そ」が「モ」になるくらいで、手間いらず。助かります。
 この春以降、池田亀鑑関係の著作が陸続と公刊される予定なので、その一環でもあります。

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 九条家入札会での無残な敗北は、池田さんにとっては一つの教訓だったと想像されます。聡明なお人ですから、自力の限界を反省されたのでしょう。その後ある機会に、「私は自分で買えないものは、他の人に買って貰って、それを使わせてもらうことにしました」と話されました。
 池田博士の、その様な意味でのスポンサーとして、第一に選ばれた方は大島雅太郎さん、最後の方は前田善子さん、その中間に、保坂潤治・七海兵吉さん等があります。みんな有力な資産家で、古典籍の好きな方々でした。この内で、最も親しかったのは前田さん、やや遠かったのは保坂さん。どなたも、池田さんの影響で、源氏の古写本の蒐集に御熱心でした。
 大島さんは、その頃日本の財界に君臨して居た三井合名の常務理事、和歌を嗜まれて佐佐本信綱博士のお弟子さん、自らの名の一字をとって、景雅と号されたほどの、恭謙温良の性格の紳士で、国鉄の高田馬場に近い邸宅は、広い青々とした庭園が、先へ延びて下り坂になって居たので、青谿書屋と号されて居ました。その後源氏の五十四帖揃った古写本や、為家・為相等の古筆の極札のついた鎌倉時代の古写本(その頃は一冊二百円位のものでしたが)が出ますと、必ず池田さんにお見せする。御返事はきまって「これは大島さんへお届けして下さい。私がお話して置きますから」。ことはそのままスラ/\と運びます。七海さんは、当時日本第一の大鉱山会社、三井鉱山の専務で、半期毎の賞与は、巨額のものだと云う評判、巣鴨に近い小石川の本邸は堂々たるものした。昭和十年頃から、急に古写本に興味を持たれて、源氏のもの、和歌のものなど、短兵急に蒐集されました。保坂さんは蒐集歴の古い人で、史料編纂所の辻善之助博士等を顧問にして、多く国史関係の稀蔵書の蒐蔵で有名な人ですが、この頃には国文学関係にも手をのばし、池田さんの外に、松田武夫さんに多く指導を受けて居られました。此の三人の人々の蒐集された源氏関係の古写本は、大部分国宝又は重要美術品に指定されて居ます。時期的には前田さんが最もおくれます。池田博士の指導で、小野小町の研究に熱心な、当時まだ年若い未亡人でしたが、最も忠実な池田さんのエピゴーネンで、その推せんされるものは全部購入されました。これらの有力な人人を背景にして、源氏・伊勢・土佐日記等の古写本の市場へ出るものは、一時は殆どみな池田博士の選択で、その手の届く範囲内に在って、一種の池田コレクションを形成しました。研究は着着とすすみ、「枕草子の異本に関する研究」「伊勢物語につきての研究」、それに土佐日記の本文を主題にした「古典の批判的処置に関する研究」「校異源氏物語」等の画期的な大著・力作が、つぎ/\に公刊されました。
 終戦を境にして、古書流通史上に未曾有の大変動が起こります。定着したかに見えた源氏の精善本は、殆どみな再び流浪の運命をたどります。
※ 反町茂雄『定本 天理図書館の善本稀書』八木書店、一九八一年、初出一九八〇年

2011-02-11 Fri 09:57
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小田部雄次著『家宝の行方』
 今の興味関心とダイレクトに繋がる本。副題「美術品が語る名家の明治・大正・昭和」が物語るように、時代のうねりを美術品が体現していると言うこと。華族の裏面史と言うべきものです。
家宝の行方―美術品が語る名家の明治・大正・昭和家宝の行方―美術品が語る名家の明治・大正・昭和
(2004/10)
小田部 雄次

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2011-02-08 Tue 08:17
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そんなに甘くない。
 日曜出勤で都合六回の入学前プログラムを終える。学生スタッフの四年生からもお別れの挨拶。いくつかの会議を残してのんびりできると思っていたところ、先送りしていたフォローアップ講座の企画が全く動いていないことを知らされ、急遽、昨年度の実施状況を再調査。おつとめはそんなに甘くないと言うことですね。
2011-02-07 Mon 11:00
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