物語学の森 Blog版 2010年09月
物語学の森 Blog版
このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。
坂本龍馬の和歌
 坂本龍馬(1836-1867)は30首あまりの和歌を遺しています。この秋、若い皆さんの前で「特別講義」をすることになっているので、龍馬の和歌に挑戦しようと、にわか勉強で始め、分からないところは教員室でご教示を請い、なんとか形になってきました。ゼミでは発表の余った時間で予行演習もさせて頂きました。「恋」の歌は赤面ものの、純な龍馬像が浮かんできますが、王朝古典を踏まえたなかなかの技巧派ぶりを発揮しています。

  恋
消ゑやらぬ 思ひのさらに宇治川の 川瀬にすだく 螢のみかは
  ※ 宇治=憂し、憂鬱な、の意の掛詞 
  ※ すだく=飛び回る      
  ※ 「思ひ」は「火」の掛詞
  ※ 「消ゆ」「ひ(火)」「蛍」は縁語
  ※ 「蛍の火」を恋心に託すのは和泉式部の和歌を踏まえる
みじか夜を 飽かずも啼きて 明かしつる 心語るな 山ほととぎす
  ※ ほととぎす=激情的な鳴き声に恋心を託す

  湊川にて(摂津国(兵庫県)湊川)    
月と日の むかしを しのぶ みなと川 流れて清き 菊の下水
※ 月と日=南北朝の動乱に揺れた皇室のこと
※ 湊川=楠正成が逆賊・足利尊氏らに敗死した古戦場。『太平記』の名場面。
※ 菊の下水=菊水は楠氏の家紋。菊は皇室、下水は尊皇の志士である龍馬自身
  明石にて
うき事を 独り明かしの 旅□□ 磯うつ浪も あはれとぞ聞く
  ※ 明石の地と「明かし」の掛詞
  ※ 「磯」「あわ(阿波)「明石」の縁語
  ※ 光源氏の須磨・明石蟄居時代を踏まえる
   ○
人心(ひとごころ) けふや きのふと変はる世に 独りなげきの ます鏡哉       
  ※ 「嘆き」と「増す」、「き(木)」と「ます(升)」の縁語 歴史物語『増鏡』を踏まえる

2010-09-30 Thu 07:43
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今日の日はさようなら。


 夕方、17時38分、先日とほぼ同じポジションで撮影しました。振り向くと多摩丘陵に真っ赤に夕陽が沈んでゆくところ。ほんとうに「秋は夕暮れ」です。
2010-09-29 Wed 06:02
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ひねもす源氏物語
 渋谷の國學院で科学研究費補助金による『源氏物語』本文の講演会を聴講。午前10時から夕方5時30分過ぎまで、たっぷり『源氏物語』享受の世界を堪能しました。
 その間、図書館で大正末、昭和30年代の論文をコピー。大正末の佐々木信綱の「『源氏物語』の古写本」は掌編ですが、『校本万葉集』の文献蒐集の副産物として得た知見を披瀝していて有益。ただし、文庫に伝わる伝承を鵜呑みして、中身をきちんと見ていないと思しきくだりもありました。

2010-09-26 Sun 09:01
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Sol Branco(ソル ブラン)


 ミーティングのため、朝いちから出勤。この中庭の名前は「Sol Branco(ソル ブラン)」。
左の建物(本館)にボクの研究室があります。階段中央からは夏休み中、止まっていた泉が流れ出しました。越前越えのためエスカレーターはやめて歩いて上ります。

「Sol Branco(ソル ブラン)」
(名称理由:「Sol」はポルトガル語で「太陽」の意味、「Branco」が「白」の意味、白く輝く中庭が太陽のようであること、また、「Sol」を「Soul」とし、太陽のような魂を持った素晴らしい学生が多くなってくれたら良いという思いも込めてある)が中庭の名称となりました

2010-09-24 Fri 09:09
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いきなりフル稼働。
 朝から晩まで三大学を移動。真夏日につき体力を著しく消耗。これも回数をこなすと平気になるから不思議です。来週は、紫式部の越前越え追体験のイベントに参加予定ですが、引用論の某先生は、ジムで身体を鍛えるというので早々にご帰宅。それくらいの意気込みが必要かもしれません。わたくしはついて行けるかどうか、少々不安です。
2010-09-23 Thu 17:31
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敬老の日。
 意識したわけではありませんが、敬老の日は実家で過ごし、両親と共に信州そばを食しました。父の一番上で20歳離れた兄、つまり叔父はすでに亡くなっており、先日、その奥さんも96歳で亡くなられたので、従兄弟の家にお線香をあげに行きました。60歳の時の若いおばさんの遺影でした。従兄弟の家はライスセンターを営んでおり、研究室に遊びに来る教育学部国語専修の某君もここを利用してくれているらしい。母も彼のお母さんと婦人会でご一緒したそうで、世の中の狭さに驚きました。

 父母もともに79歳、長寿で知られる町に住みますが、健康には留意してもらいたいものです。そんなわけで大学に完全復帰の週となりました。

 
2010-09-22 Wed 07:06
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高揚感。
 中高等部運動会やAO入試開催中の相模女子大学で物語研究会例会。若い女性研究者の発表を聞く。計算され、よくまとまった内容でした。ぜひ活字にして頂きたいものです。1971年10月発足のこの研究会も来年はメモリアルイヤー。記念出版もいくつか予定されているようです。ボクはどうしようかな。忙しくて忘れていました。高揚感が出て来ました。次回は、ボクも盛り上がりに一役買いたく企画しています。

 高井戸駅でタクシー待ちをしていたところ、女性に割り込みされ、タクシーの中で、順番を守るよう主張する運転手さんと押し問答をしていました。こういう人は、ボクの大学の「ルールとマナー」を学ばせたい。
 

2010-09-19 Sun 10:15
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佐渡の『源氏物語』。
 後期はほぼ連日会議です。そんな中、佐渡の『源氏物語』の新情報がもたらされ、時間ぎりぎりに早稲田の図書館で関連資料をコピー。地元で研究を続けておられる先生にお電話して、さらなる新情報を得ることが出来ました。詳しくは書けませんが、近々、口頭報告することになると思います。お楽しみに。
2010-09-18 Sat 07:30
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壊れる大学 !?
週刊 ダイヤモンド 2010年 9/18号 [雑誌]週刊 ダイヤモンド 2010年 9/18号 [雑誌]
(2010/09/13)
不明

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渋谷初日。演習は四月の初回に次いで、ようやく全員揃いました。ただし、就職未定の人もいるようで、ちと心配。後期それぞれの担当箇所を音読しつつ確認してもらいました。

 青山ブックセンターで購入したのは「週刊ダイヤモンド」の「壊れる大学」特集。財務のページと「中学校化する大学の教育現場/ここまでやるか!面倒見大学ルポ」は要チェック。財政が豊かと言われている(た)大学もリーマンショックで急激に自己資金比率が下がっていたのは、自己資金で損失を充当したからでしょうか。いやはや他人事ではありません。

2010-09-16 Thu 08:12
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山田利博著『アニメに息づく日本古典―古典は生きている』
アニメに息づく日本古典―古典は生きている― (新典社新書51)アニメに息づく日本古典―古典は生きている― (新典社新書51)
(2010/09/17)
山田 利博

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 宮崎の山田先生より拝受。積年のコレクションに関する知見がふんだんに盛り込まれています。ありがとうございました。

2010-09-15 Wed 08:44
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