物語学の森 Blog版 2009年10月
キング・オブ『源氏物語』。
2009-10-31 Sat 07:18
 久しぶりの遠征で埼玉県本庄市内の高校。ボクは「教育学」との指定で「国語科教育法」を中心に。ただし、高校二年生なので、「1.教育学とは/2.先生になるには/3.心理学・学級経営論の講義を学ぶ/4.読む・聞く・話す」の四項目。真剣なまなざしに圧倒されたことでした。
 さて、こういうときに気になるのは「文学」の先生。今回は、ボクと同じ市内にある大学からで、しかも、受験教育では知る人ぞ知る、と言うより、受験生の過半数がこの先生の『古文単語』を持っている著名人。講座名は、なんと「キング・オブ『源氏物語』」。ネーミングからしてすばらしい。担当の先生も国語の先生と言うことで感激なさっておいででした。
 
 夕方、今度は医者を目指す諸君と受動喫煙について集団討論のトレーニング。中に、「路上禁煙を無くすには」の質問があり、これに女子学生が「お巡りさんにもっと自転車で街を回ってもらえばいい」と答えた人があり、この場では超越的・異次元の返答にしばらく場が笑いでつつまれる。次の人も笑いをこらえきれず吹き出してしまいました。 「○○さんの見解をどう評価するかで、判定会議は紛糾するね~」 。

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狭衣的異本・本文的状況-大沢本『源氏物語』
2009-10-30 Fri 07:33
 『朝日新聞』30日付朝刊一面に「光源氏「軽薄な女だな」 写本・大沢本に新記述見つかる」。
 伊井先生の御論文を拝読していると、大沢本は、狭衣的異本・本文的状況だな、と思っていました。今日の記事でますますその感を深くしました。
 昨年段階でのボクの大沢本本文への見解は以下の本にすこし触れてあります。
テーマで読む源氏物語論 1 (1)テーマで読む源氏物語論 1 (1)
(2008/10)
今西 祐一郎室伏 信助

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追補 「「大沢本」に標準本との違い約2000字も」「産経新聞」。
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書誌学と文献学。
2009-10-29 Thu 19:20
 やや熱があるようで、完全クールダウン。寒い書斎で体調を崩したかもしれません。ただし、御陰で頂戴した本を精読する時間を得ました。中に、話題の「光源氏系図」の料紙を、従来の鎌倉~南北朝とする見解に対して、江戸時代まで下ると見る一節を論考の中に見つける。この手の系図は、時代的先行性が何よりの生命線。今は炭素年代測定もありますが、実際のところ、どうなのでしょう。文献学のみならず、書誌学の重要性を痛感しました。
大島本源氏物語の再検討 (研究叢書)大島本源氏物語の再検討 (研究叢書)
(2009/10)
藤本 孝一佐々木 孝浩

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書籍週間ランキングにチャートイン !
2009-10-28 Wed 15:15
 大学生協の文庫週間ランキングにチャートイン。サンプルは少ないけれども、素直に喜びましょう。 10月12~18日

1 徳間書店 あるキング 伊坂幸太郎 2009/8/26 1200 59 47
2 本の雑誌社 本の雑誌 317号 2009/10/19 648 52 38
3 講談社 新参者 東野圭吾 2009/9/17 1600 47 35
4 日本ミシュランタイヤ ミシュランガイド京都・大阪 2010 2009/10/16 2300 43 17
5 講談社 「女装と男装」の文化史 佐伯順子 2009/10/10 1700 28 21
6 集英社 Will 本多孝好 2009/10/2 1600 25 21
7 河出書房新社 検閲と文学 紅野謙介 2009/10/9 1200 20 16
8 文藝春秋 夢をかなえるサッカーノート 中村俊輔 2009/9/4 1429 19 14
9 中央公論新社 死刑 読売新聞社 2009/10/10 1500 16 14
10 岩波書店 加藤周一自選集 1(1937ー1954) 加藤周一 2009/9/17 3400 16 14
11 朝日新聞出版 13日間で「名文」を書けるようになる方法 高橋源一郎 2009/9/3 1800 16 15
12 みすず書房 ピアノ・ノート チャールズ・ローゼン 2009/9/23 3200 17 13
13 講談社 ヘヴン 川上未映子 2009/9/2 1400 16 12
14 勉誠出版 〈琴〉の文化史 上原作和 2009/9/1 2000 15 13
15 みすず書房 フロム・ヘル 上 アラン・ムーア 2009/10/10 2600 14 9
16 フェリシモ出版 クチュリエ 2009ー’10年秋冬号 2009/10/6 267 14 14
17 新潮社 6teen 石田衣良 2009/9/29 1400 13 11
18 みすず書房 フロム・ヘル 下 アラン・ムーア 2009/10/10 2600 13 8
19 三五館 日本語の正体 金容雲 2009/8/24 1500 12 11
20 グラフィティマガジンズ Tokyo graffiti 061 2009/9/24 457 12 10
21 メディアファクトリー あたしンち 第15巻 けらえいこ 2009/9/17 854 12 12
22 幻冬舎 フリーター、家を買う。 有川浩 2009/8/26 1400 11 11
23 明治書院 中国古典小説選 10 竹田晃 2009/10/15 6400 12 10
24 平凡社 聊斎志異 3 蒲松齢 2009/10/13 1500 11 11
25 文藝春秋 アフロ・ディズニー 菊地成孔 2009/8/29 1429 11 7
26 小学館 神様のカルテ 夏川草介 2009/8/29 1200 11 7
27 生命の謎は「タンパク質」で読み解ける! 白木賢太郎 2009/10/3 900 11 10
28 大和書房 「読む・書く・話す」を一瞬でモノにする技術 斎藤孝 2009/8/22 1400 10 10
29 中央公論新社 これでよろしくて? 川上弘美 2009/9/19 1350 9 9
30 日本放送出版協会 アルベール・カーン コレクション デイヴィッド・オクエフナ 2009/8
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物語は、うつほ。
2009-10-25 Sun 08:28
 何年ぶりかで『うつほ物語』の輪読分担となり、マニュアル通りのレジュメを作成。以前より、頁数を減らして、叢書の一ページ以内となったので、さほど大きな負担ではありませんが、抱えた原稿が一時ストップ、ブログの更新も滞りました。
 『源氏物語』のゼミも、ボクの校注と現行註釈書四種を比較検討してもらっていますが、中に、ボクの核心部分の注釈を略した人があり、それとなく「ボクのはこれだけだったっけ?」と、途中で解説を加えてしまったことがありました。
 こちらへはすでに20年近く参加しているので、みっともないことは出来ません。とは言え、あまり大きな本文異同もなく、注釈書の解釈も安定、何か気の利いたことのひとつも述べたいものです。ボクの研究テーマの中でもそれなりの位置を占めていることは確かで、5本ほど論文を書いています。『枕草子』の中でも好きな物語の筆頭。
 ただし、明治以前の研究を辿ると、『源氏物語』の註釈を援用したものばかりで、しかも、「俊蔭」巻の考証に筆を費やして力尽き、後半になると巻にひとつふたつ註解を加える程度、オリジナルの見解も少なくなる傾向があります。角川文庫三巻はボクが研究を始めた当初から稀覯本、確か、2万5千円で入手しました。これは保存用にして、ふだんは製本した複製三巻を箱入りにして持ち歩いています。すでにビギナーズも出て名場面の拾い読みは可能になりました。いずれ全註釈も考えてみたいところではあります。ただし、いつのことになることやら。
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中古文学会関西部会編『大島本源氏物語の再検討』の佐々木孝浩論文。
2009-10-21 Wed 06:51
 昨年の六月に開催された大島本『源氏物語』に関するシンポジュウムが、中古文学会関西部会編『大島本源氏物語の再検討』として刊行され、議論の中心となった佐々木孝浩先生からこれを拝受しました。ありがとうございました。
 佐々木論文は、2006年夏、京都の物語研究会大会の報告を骨子とし、大島本『源氏物語』が、飛鳥井雅康筆本そのものではなく、その転写本であって、それが永禄六年(1563)まで、二期に渡って補綴されて現在の形態になったと言う仮説であり、ほぼ支持を得た論文。本書ではこれを再録し、さらにシンポジスト、司会の四人の書き下ろしの論文を揃えています。当該論文は、下記拙編の論集でも収載の予定でしたが、論集の企画意図から、発表から間もないと言うことで残念ながら見送ることになりました。それが今回こちらに収められた訳です。当日のことは、極めて重要なシンポジュウムであったものの、一部に何とも言えない違和感が残ったのですが、この論集を読んでもその読後感は変わりません。要は、佐々木論文は、読まれるべき人にほんとうに読まれていたのであろうか、と言う疑念です。補注に佐々木氏が言及する論文には下記に書き込んだ拙編の佐々木論文の要約を参照しつつ書かれた文章もあるやに思われ、冒頭の論文には佐々木論文が「全面的に反論」を書いたものと規定して立論されていますが、むしろ佐々木論文はこれを踏まえた立論なのであって、明らかに誤読の領域なのですが…。引用された佐々木論文のそこかしこに、そのことは明記されていますから。
 詳細はおひとりおひとりが丹念に見解を精査して、自身の目で判断を下されることを希望します。

 
 
本文史学の展開/言葉をめぐる精査 (テーマで読む源氏物語論) (テーマで読む源氏物語論 (2)) (テーマで読む源氏物語論 (2))本文史学の展開/言葉をめぐる精査 (テーマで読む源氏物語論) (テーマで読む源氏物語論 (2)) (テーマで読む源氏物語論 (2))
(2008/06/12)
上原作和

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加藤和彦さん。
2009-10-20 Tue 07:47

 土曜日、ケイタイのニュースで驚く。先月、弟とこの人の「イムジン河」の歌声を聴いたばかりでしたから。誰で知っている名曲のほとんどは20代前半に北山修さんとのコンビで作られたもの。二度と同じことをしない主義だとは知っていましたが、ゆっくりと坂を下りてゆく人生もあったはず。夕陽が沈むつま恋の涼風の中、出演者と二万人の歌声が響いていました。
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永井路子先生講演会
2009-10-18 Sun 08:46
20091018084608


  聴衆400人超。熱心なみなさんが耳を傾けていました。終了後、先生を無事ご自宅までお送りしました。ありがとうございました。
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漱石は実際に〈琴〉の音を聴いていたか。
2009-10-17 Sat 07:51
◇◆「勉誠通信」第13号◆◇━━━━━━━━━━━━━

http://www.bensey.co.jp/webpr/013.pdf

上記をクリックしてご覧ください。

<No. 13目次>

中国残留日本人との邂逅  蘭 信三
漱石は実際に〈琴〉の音を聴いていたか。その一  上原作和
『信長記』研究は終わらない  金子 拓
ネットワーク時代にふさわしい図書館情報学  緑川信之
記録を守り 記憶を伝える  安藤正人
日本近代文学と宗教  綾目広治
てんぷらの語源(二・考証)  小林祥次郎
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卒業写真 2009
2009-10-15 Thu 07:12
20091015071239

恒例の記念撮影のため、スーツを着ていったら、みんなから冷やかされる。最近はネクタイもしなくなっていましたからね。夜は『小右記』の輪読でみっちり勉強。一雨ごとに冷気が増している気がします。
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