物語学の森 Blog版 2008年08月
物語学の森 Blog版
このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。
清少納言の結婚。
 雨。註釈と言っても、本文と註釈を同じ頁に収めるため、圧縮作業と言うに等しい。ひとしきり手を休めて開いた本に清少納言の結婚問題が書かれていました。
 
 清少納言が橘則光と結婚したのは、天元四年頃(981)、当時十六歳。則光とは一才年下。一子・則長を儲けたものの二年程で離婚。 その後、関白太政大臣頼家家と右大臣為光家に家女房として出仕。さらに正暦二年頃(991)、なんと年齢差二十九歳、当時五十五歳の藤原棟世と二十六歳で再婚したとされ、のちこの結婚にも破れて定子後宮に出仕したことになります。紫式部と紀時文の結婚時の年齢差の参考になるものと思われます。娘の名前は小馬。中宮彰子に出仕したともされる女性で、『紫式部日記』に「琴柱に膠をさしたような(融通の利かない)」女とされているのがこの人のこと。
 これらの史実は、なにより、清少納言自身が父・元輔の五十九歳時の娘だと言うことも、総合的に見て何らかの因子があるのかもしれません。秋からはこんなことを書き始めます。

紫式部の蛇足 貫之の勇み足 (新潮選書)紫式部の蛇足 貫之の勇み足 (新潮選書)
(2000/03)
萩谷 朴

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2008-08-29 Fri 14:25
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『一冊で読む源氏物語』
 晴れのち曇天、のち雨。
 『一冊で読む源氏物語』なるテキストを作成中。秋には書店に並べたいそうで、パソコンフル稼働中。講義でお使いいただけるようなら、もれなく献本いたします。

2008-08-28 Thu 12:29
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八月は暑い方がいい。
 雨。栃木県鹿沼市では車が水没して死者が出たと言う。救助の体制が問題になっていますが、身近なところで用心も必要なことを思い起こしました。ボクも一度、志木駅の東側、慶応志木高校脇の窪地となっている交差点に大量の土砂が流れ込んでハンドルをとられ、立ち往生しかけたことがあったからです。おまけに、浮いていたスポーツドリンクをエンジンルームに吸い込んだため異音を発生し、翌日、整備工場のお世話になる羽目に…。エンジンもかなり弱ったような気がします。こういうときは土砂降りで帰りを急いでいることが多く、視界も悪いのでご用心です。テレビでも注意していましたが、車のドアが水圧で開かなくなったら、車内の水圧が外と同じになるギリギリまで待っていれば、ドアは開くには開く。冷静に対応すれば、命は助かったかもしれません。

 ちなみに、選挙でお世話になる近隣の公民館が崖の上に立っており、崩落危険箇所指定となっています。土砂降りの日は避けて通ったほうがよいのだけれど、バス停までは一本道なので。

 秋の学会に向けて出版も風雲急を告げる気配、原稿は締切を守り、ゲラは早めに戻しましょう(苦笑)。

 
2008-08-27 Wed 07:29
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宴のあと。
 雨が続き、八月とは思えぬ冷え込み。そして北京オリンピックも閉幕。贅を尽くした演出の閉幕式を脇に、調子の悪いメインのパソコンと格闘していました。
 それにしても、オリンピックは、スポーツを通して、人生を教えてくれるものだと痛感しました。
 例えば、女子ソフトボールの解説を担当した前監督が、天王山のオーストラリア戦では特に、仕事を忘れて、選手の一挙手一投足毎に「あ~」「う~ん」とうなり声をあげていたこと。きっとベンチでもこの調子なのでしょうね。押せ押せの時はよいが、ミスから敗色濃厚となった時のベンチの雰囲気は最悪だったのではないか、と思いながら見ていました。ただ、信頼関係は絶対のようで、傍観者の戯言かも知れません。野球の惨敗、マラソンの出場辞退もあり、大会関係者、監督、指導者も辛いもんだな~、と。
 結果からすれば、連覇が6人、後進の育成が順調ではないと言われもし、入賞者が多いから次のロンドンが楽しみという声もあり。 ともあれ、いろいろ学びました。

 さてさて、やや滞りがちな注釈作業。編集者さんの「千年紀で終わりにしたくないですね」の声に励まされつつ、デスクワークにしばらく勤しみます。年が明けたら、自陣がどんどん小さくなっていた、なんてことにならないように。 

2008-08-25 Mon 09:00
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古橋信孝編『万葉集を読む』
 先日、ご一緒した増尾伸一郎先生から古橋信孝編『万葉集を読む』吉川弘文館を頂戴しました。
万葉集を読む (歴史と古典)
 増尾さんはボクに、東アジアの思想の何たるかを教えてくれた先生。湯河原でもたくさんの御示教を賜りました。というより、ものけんのみんなが…。ありがとうございました。

2008-08-22 Fri 11:35
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湯河原で。
20080821062607


 湯河原温泉で物語研究会大会。たくさんの報告を聞き、よく食べ、よく飲み、そして温泉。惜しむらくは、十二時過ぎると睡魔に勝てなくなったこと。おまけに二日目は、温泉に入った後、横になったところ寝入ってしまい、二次会に出られなかったのでした。ベテランメンバーが探検隊となって、ボクの部屋まで様子を見に来てくださった由。ともあれ、充実の三日間となりました。
 板の間に寝込んだボクを、部屋に帰る手配までしてくださった担当のみなさん、いろいろご苦労様でございました。

2008-08-21 Thu 06:26
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私のお墓
20080817102410


 涼しい信州に帰省。原稿少々。清里で原稿の校閲をしたりして過ごしました。
 写真は、墓参で二回訪れた、ボクも入ることになっている我が家のお墓。右手の雲の中に小噴火中の浅間山。墓誌銘には、祖父祖母に叔父二人の名前も刻み込まれ、夭折したミノル君も没後二十年を数えていました。にわか雨の後で、ひんやりした墓参となりました。
 父に聞いたところ、四十年ほど前、手狭になった墓地を考え、一族四十軒で均等割りで費用を捻出して納骨堂を作ったとのことで、当時四十歳前後であった父には費用の捻出も厳しいものであったと何度も聞かされました。ただ、ボクにはちと承伏しかねる一族郎党の掟
 -「死んだら土に帰る」
 があり、納骨の後、一定の年数を超えると、遺灰は納骨室の地下に別のかたちで葬られることになっているとのこと。自分の時はどうしたものか、晩年を自覚する頃までに、追々考えておきましょう。

2008-08-17 Sun 10:24
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角田案の系図
20080812081834
紫式部伝―その生涯と「源氏物語」紫式部伝―その生涯と「源氏物語」
(2007/02)
角田 文衞

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 『源氏物語』のテキスト版の註釈を終えたら、紫式部伝をまとめておこうと思っています。そこで、角田先生のご本を読み返していたら、紫式部系図には、ボクの説が盛り込んであったのでした…。必ずや、ご恩に報いたいと誓ったのでした。

2008-08-12 Tue 08:18
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Guqin sounds through YOU TUBE
 浦上玉堂制作七絃琴


 胡笳十八拍 古琴+歌唱+洞簫

2008-08-11 Mon 08:28
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Guqin Music in the Beijing Olympic Games 2008 Opening Ceremony
20080810070418


 北京五輪開幕。開会式では神話の時代から現代中国までを展望する壮大な絵巻スペクタクルが繰り広げられ、劈頭、古琴(七絃琴)の太古の遺音が全世界に響き渡りました。世界無形文化遺産となって中国でも見直しが始まっているとは言え、「この音を識る者古来稀なり」と『文選』「琴賦」に記されるほどの稀少な音色が、現代にまでかろうじて遺っていることが奇跡だと言えるでしょう。
 まさしくテーマは「右書左琴」の思想を体現していました。
 解説では、3000年の歴史を持つと伝えていましたが、これは少々説明が必要か。また、演奏されている楽器そのものも1000年以前のものとの説明もありました。おそらく、これは北京故宮博物館蔵の唐琴「九霄環佩」(756)でしょう。なぜなら、架蔵のモデルと同型だったから。玄宗皇帝ゆかりの一品。保存状態もよいのでしょう。表彰式でも琴をフィーチャーした曲が奏でられるようなので、乞うご期待。

 そんなこともあり、来年のシンポジュウムも、その開催地は我が国で琴学が最も隆盛を極めたかの地への上洛を目指し、ツアーを組んで行う予定です。


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2008-08-10 Sun 07:04
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