物語学の森 Blog版 2008年07月
右書ばかりではなく左琴。
2008-07-31 Thu 07:47
 比較的過ごしやすい一日。夕方、校正ゲラを届けに自転車で敢えて遠出。夕焼けが美しい。以前から、お話があった叢書の原稿依頼状を拝受。全員の原稿がもらえたら凄い本になるでしょう。入念に準備されたことがよくわかる企画です。ただ、ボクへの依頼だけ、ちと難題の、文献を検討する宿題付き。さっそく、この手の文献を網羅的に研究している某さんに電話。ついで、大学から平成版の遣唐使・留学生(るがくしょう)を命ぜられて困っていると言う某君にも電話。それぞれ御家の事情があるものです。ただ遠くない将来、ボクも中国に遊びに行けそうです。
 そんなわけで夜は琴。忘れていたわけではないのです。ただ、書かなかっただけ。それにしても試験が終わるとアクセスが激減。これを見ても試験が出来るわけではないと思うけれど…。みなさん、よい夏休みを。
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しばらく濫読。
2008-07-30 Wed 08:26
 日中を除けば比較的過ごしやすく感じられる一日。
 懸案の原稿も上がり、論文系は暮れまで締め切りはなし。と言うより、頭の中は瞬間的に真っ白になっている感じだし、これも春には一応のかたちにしておいたので、文献を再チェックするのはまだ先のことでいいでしょう。
 この夏の仕事は、秋に出す一冊本の『源氏物語』のテキスト版。広く読まれることを願っています。
 エンジンを冷ますため、しばらく濫読。溜まっているお礼状もボチボチ書きます。

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定期試験
2008-07-29 Tue 06:38
20080729063814


 比較的涼しい朝。原稿を書き上げ、ご機嫌で編集者さんに電話。しばらく間をおいて発酵するのを待つことにします。
 午後、定期試験のために大学へ。教室へ向かう途中、監督補助さんと注意事項を確認しながら。「試験でトラブルを起こして大学から処分されると、学生さんは「履歴書」に残.ることになりますから、慎重になります」と言われて、学部の一年生の時の記憶が甦りました。(記憶の話は追記に回しました)
 閑話休題。

 さてさて、履修者は三クラスで100人。よく頑張ってくれました。答案の出来も良いようです。学内書店で、お願いしていた課題図書を確認。まだ平積み状態、一冊、新版の文庫は購入しました。


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やっと解けた謎の話。
2008-07-28 Mon 06:33
 例によって、炎暑の後、夕方、雷雨。原稿少々、なかなか自分では傑作と悦にいる出来映えの主題論。その後、パソコンをメンテナンスのつもりが、お釈迦にした方が得策であると分かり、妥協ギリギリの選択を迫られたのでした。
 ぼんやりと電気店の診断を待つ間、少しばかり気にかかっていた事柄が氷塊!。差し障りがあってうまくかけませんが、あるガイダンスで居合わせた大学の先生から渡された資料のこと。
 ボクに渡されたのは、「指定校推薦書類」。これを進学希望の生徒さん全員に渡していたようで、「自己推薦入試書類」がまだ未完成か、手違いだったのだろう、と思っていたのでした。今日、改めてその書類を眺めてみると、校長先生の推薦状と検定料振り込み用紙と封筒だけで生徒さんの志望理由書がありませんでした。つまり、あの大学は、進学希望者全員が「指定校」の対象者という意味だったのです。地方の大学の厳しさを理解しているつもりで理解できていませんでした。そういえば、大学なのに書類だけで面接のない推薦のある短大もありました。だから、生徒さんのモチベーションに凄い落差があったわけですね。これに気付いていれば、緊張感を持たせる方向に雰囲気をコントロールできたはず。深い溜息をつきつつ。。。こんな夜はみゆきさんでも聞きますか。

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「蔭位の制」の存在を知らなかった話。
2008-07-27 Sun 20:54
 そう言えば、先日、近親に教育関係者のいない研究仲間と話したとき、「そう言えば、親が先生だと採用試験絶対に強かったよな~。一年常勤で修行したら二年目で合格したりとか。オレたちだけが何も知らなかったってことだね~」と大笑いしたことでした。要するに、今も「蔭位の制」の現代版が生きていたと言うことなんですね。
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吉海さんの新刊。
2008-07-26 Sat 09:24
 炎暑快晴。外回りの仕事はまだ終わらず、終日の夏休みは来週に持ち越し。もちろん、家での仕事は山ほどあります。
 吉海さんから、千年紀の第一弾『「垣間見」る源氏物語』を拝領。役職から解放されてまたエンジン全開のようです。ありがとうございました。
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新潟加茂へ。
2008-07-25 Fri 10:45
 曇天。朝一番の新幹線で新潟へ。新潟では雨のち曇り。長岡から加茂へ。このあたりは始めて来たところ。受験を目前にしながら、やや暢気な生徒さんもおり、緊張の生徒さんもあり。
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『春敬の眼』珠玉の飯島春敬コレクション 
2008-07-24 Thu 10:39
 炎暑の中、六本木の国立新美術館で『春敬の眼』珠玉の飯島春敬コレクションを鑑賞。冷泉為和筆『源氏物語』、『源氏物語絵巻』断簡三種も始めて見ることが出来ました。それにしても膨大なコレクション。眼福でした。その後、慶應で前期最後の『小右記』の会。 
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大沢護久のこと。大沢本異聞。
2008-07-23 Wed 08:25
 昨日の大沢本『源氏物語』の続きです。
 産経新聞の用語解説をに以下のようにありました。

 大沢家-室町時代、儀式や礼法などを担当した貴族・山科家の執事をつとめた家柄。大沢本を所蔵していたのはその流れをくむ家のひとつで、明治時代には奈良の薬師寺近くに居住していた。同家の伝承によると、大沢本は明治の国学者、大沢清臣(きよおみ)の祖先にあたる大沢護久(もりひさ)が豊臣秀吉から拝領したと伝えられる。

 ついで山科家とは、
 
 山科家-羽林家の家格を有する公家。藤原北家四条流。家名は家領があった京都山科荘に由来する。家業は装束・衣紋で江戸時代には高倉家(藪家)とともに装束色目を担当した。江戸時代の家禄は300石。

 四条家成の六男実教の猶子となった権中納言教成を祖として平安時代末期に創設された。南北朝時代の山科教言以後、代々内蔵頭を輩出して朝廷財政を運営した。戦国時代の言継(ときつぐ)は日記『言継卿記』を著した。『言継卿記』は、戦国時代の京都を中心とする畿内の情勢を知る上で必要不可欠な一級史料として知られる。言継の息子言経は、勅勘をこうむり摂津国に下ったため、一族の教利が一時期、山科を名乗り朝廷に仕える、しかし、徳川家康の意向により、言経が朝廷に複帰したため、教利は、猪熊教利と名を変えざるをえなくなった。明治維新後、言縄(ときなお)の時に伯爵位を賜る。       『ウィキペディア(Wikipedia)』


 山科家には学生時代伺った記憶があります。
 ともあれ、伝承経路だけでもと勉強中。飯島本も大沢本、いずれも垂涎の本。何箇所か本文を確かめてみたいところがあり、切歯扼腕、隔靴掻痒というところです。





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やはり〈戦国時代〉の『源氏物語』本文史研究。
2008-07-22 Tue 07:22
 夕方のNHKニュースに始まり、大沢本『源氏物語』が70年ぶり再出現の話題によって、新聞各社へのアクセスランキングも鰻登り。先日の問い合わせ以降、ボクも調べておいたのですが、この大沢本、すでに『源氏物語大成 解説篇』中央公論社、1956年の256頁に基本データがありました。所蔵先の事情で「橋姫」巻以降の調査がかなわなくなり、校異本文としての再録は諦めたとのことが記してあります。ただし、「竹河」巻以前の本文は、青表紙本とされる巻も、河内本とされる巻も有力伝本とは完全には一致せず、別本とされる巻が大半であるとの認定であったことも分かります。解説には戦後も焼けずに残ったことが記されてあるので、池田亀鑑の斡旋で御用達の古籍商に渡り、その後の譲渡先まで把握していたようにボクには読めました。なんでも、豊臣秀吉から大沢氏が拝領したものだとか。『源氏物語』神話がここにもあるようです。

 先に紹介された飯島本は室町時代ですが、こちらは鎌倉中期と見られるそうだし、「夕霧」巻巻末の独自本文の引歌表現「なにはの浦に(…焼く塩の辛くも我は老いにけるかな)」も後人の加筆とは思えぬ物語内容を持っています。だとすれば、「柏木」巻末同様、定家の添削がなされているでは…と思わせる本文。ただし、これを裏付ける定家以前の「夕霧」巻末本文が歌学書や古註釈などに書き込まれた逸文でもいいから見つけられると、この推測が実証できるはずです。
 やはり、『源氏物語』の本文史研究は〈戦国時代〉的活況にあることは確かなのでしょう。
 手前味噌ですが、本文研究を学ぶならこちらを御覧下さいますように。

本文史学の展開/言葉をめぐる精査 (テーマで読む源氏物語論) (テーマで読む源氏物語論 (2)) (テーマで読む源氏物語論 (2))本文史学の展開/言葉をめぐる精査 (テーマで読む源氏物語論) (テーマで読む源氏物語論 (2)) (テーマで読む源氏物語論 (2))
(2008/06/12)
上原作和

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