物語学の森 Blog版 2008年06月
物語学の森 Blog版
このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。
甲府で。
 雨。中央線で甲府へ。山梨大学で日本文学協会研究発表大会。古代後期部門は気がついてみると発表者は全員女性。ボクの年若い男の友人たちは気はいいけれど、研究者魂しぼんでるのが多いから仕方ないでしょう(爆)。「おい、そこの若えの、一度でいいからオイラをうならせてミロや」と挑発しておきましょう。発表はひとつだけ拝聴した中世も含め、近年、稀に見る充実振りでいた。
 雨の中、いつもの悪い癖で「もう一件」が昂じて指定席を見送り、満席の通路で立ちながら寝ていたらしい。また二次会のネタを提供してしまいました。

2008-06-30 Mon 11:00
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祝賀会。
20080629055222

 曇天。蒸し暑い一日。日本女子大学で「『源氏物語』の雅び」。満席の会場では女性が九割近くの熱心な聴衆に関係者もちらほら。講演、演奏ともに記憶に残るものでした。
 移動して三田の中国飯店で、『小右記註釈 長元四年条』の出版記念会。黒板・永井先生も中央で参加者の話に耳を傾けていらっしゃいました。
 おしむらくは、本が間に合わなかったこと。永井先生も、その本文批判の厳密さに触れてご挨拶いただきましたが、註釈の緻密さ、ボクも関わった解説等、その内容はDVDにも劣らぬ索引機能を持っています。すでに予約もこの価格にしてはびっくりの数字を軽くクリア。来月には…と二次会も喫茶店で打ち合わせしたのでした。


2008-06-29 Sun 05:52
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所沢市長からのメール。
 以前、『徒然草』の「この木なからましかば」の段を引いて、公共施設の文化理解を訴えたところ、所沢の当麻好子市長からメールを頂戴して、管轄部署に「お香を焚くことは火気使用にあたらないと判断」したので、適切な対応を指示した旨のご連絡を頂戴しました。もちろん、一時的な火気使用となるので、火種の安全と喚気とに留意することも書き添えてありましたが、これは使用者の義務として当然。爽やかな涼風の吹き抜けた一日となりました。
2008-06-28 Sat 10:19
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区間快速の意味。
 雨のち晴れ。埼玉県幸手市内の高校へ。埼玉県の県立高校は、校舎の建築時期が近いと構造がよく似ていることに気付く。八人の高校三年生の話を聞きました。
 帰りがけ、そのまま来た東武線の区間快速なる列車に乗ったところ、これは逆方向の上に東武動物公園の次は北千住という、ボクにとっては信じられない飛ばし。せめてターミナル駅には止まると思った自分が甘かった…。おかげで荒川土手を眺めることが出来ました。ロスタイムは約2時間。

2008-06-27 Fri 08:45
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髪と衣裳の『源氏物語』
 山の手横断の日。青山の『源氏物語』の演習はそれぞれ、発表がそれぞれ「髪」と「衣裳」、そして「平安京」をテーマとしたもの。いかにも女子大らしい内容でした。
2008-06-26 Thu 18:51
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歌語「顔かはり」
 夕方、国学院で『うつほ物語』「国譲」中巻を読む。十九日と三度も記した六月祓の詠歌のなかに「顔かはり」と言う特異な歌語がありました。「面変はり」ならたくさんありますが。
 そこで、『源氏物語』「「総角」にも大君を喪った薫が「顔かはり」すると言う地の文があるので、陽明文庫本で調べてみましたが、異同なし。『うつほ物語』諸本にも異同はないので、これは歌語と見ていいでしょう。
 ちなみに、『平安朝歌合大成』の「歌語索引」を調べてみると、「六月祓」が歌題となるのは、万寿、天喜以降です。

2008-06-25 Wed 11:18
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教育効果とは。
曇天。ボクのミスで致し方なく同じ問題を復習したところ、ノーヒントの真剣勝負で勝ち残った人が前回より減少。あの作業の教育効果とはなんだったのか、と少し考え込んだ月曜日のひとこまでした。
2008-06-24 Tue 11:44
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「宜陽殿の一の棚に」
 御前にさぶらふ物は、御琴も御笛も、みなめづらしき名つきてぞある。玄上、牧馬、井手、渭橋、無名など。また、和琴なども、朽目、塩釜、二貫などぞきこゆる。水龍・小水龍、宇陀の法師、釘打、葉二つ、なにくれなど、多くききしかど、忘れにけり。「宜陽殿の一の棚に」といふ言草は、頭の中将こそ、したまひしか。  

 雨。大塚の日文協事務所で『枕草子』の会。「無名といふ琵琶の御琴を」の段。ボクがレポーター。宇多天皇ゆかりの和琴・宇陀の法師が、この本文では「こと・ふえ」の中に一括されていますが、『源氏物語』「藤裏葉」の巻では、朱雀院によって宇陀の法師が弾かれることにより、皇統の再確認がなされるのでした。どの楽器も延喜の御世に広く知られる名器のようです。
 ゆえに「宜陽殿の一の棚に」と念押しされるわけですね。

ちなみに、類纂本系の堺本はこの段を保有しませんが、『異本紫明抄(光源氏物語抄)』には本文が採録されていて、宇陀の法師に関する「こと・ふえ」分類への言及があり、古体の類纂本系には存在していたようです。これもこの研究会で学んだことのひとつです。


2008-06-23 Mon 11:09
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江戸公家文化の中の『源氏物語』。
 曇天のち雨。立教大学で物語研究例会。『源氏物語』の文末表現「けり」に、最近、相次いで紹介された九条幸家 等筆『源氏物語絵巻』についてのトークセッション。この話題を追い続けているNHKのカメラも入って、まさに熱気も最高潮。とりわけ賢木巻の「出家場面」は壮麗な画面。画風の推定、詞書の筆者から、江戸寛永の公家文化の粋を極める一品に一同酔いしれる趣。詞書の本文系統も伝承筆者の秘伝「門外不出」の本文系統らしく、よりいっそうの興味が募ります。
 源氏物語と江戸文化―可視化される雅俗
 二次会、三次会例の如し。結局、最後にはボクがいじられ役のまま終電一本前に帰宅したのでした。

 若い友人が異国での日本語教員の要請を受けるかどうかで悩んでいました。ボクも同じ歳の頃、半年間、今にして思えば破格の条件で誘われたことがあったけれど、目先のことで断ってしまったことがありました。たいへんな熱烈歓迎を受けるようで、今にして思えば後悔していることのひとつです。

2008-06-22 Sun 08:52
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『源氏物語』二題。
本文史学の展開/言葉をめぐる精査 (テーマで読む源氏物語論) (テーマで読む源氏物語論 (2)) (テーマで読む源氏物語論 (2))本文史学の展開/言葉をめぐる精査 (テーマで読む源氏物語論) (テーマで読む源氏物語論 (2)) (テーマで読む源氏物語論 (2))
(2008/06/12)
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 また、著者のお二人から、仲間と読む源氏物語ゼミナール』 
 をお送りいただきました。ありがとうございます。

2008-06-21 Sat 08:49
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