物語学の森 Blog版

このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。

夢を食う男。

 快晴。探しものの論文について、先輩に尋ねてみたところ、快く教えてくださり、同一出版社の別シリーズ影印本の月報に収められていると判明。朝一番で所蔵先の大学図書館へ。月報が合冊されており至便。コピーをとった上、坂を下りてすぐの出版社までそのまま届ける(バレバレですが)。
 担当さんが不在につき、社長さんとしばしお話する。ボクが書いた解題をお読みになった監修の先生からの進言で、僕自身、腰を抜かすような「夢の企画」が進行していることをお聞かせいただく。関係機関の承諾がないと進まないことではあるけれども、「こんな本を作りたい、あったらいい」と思っていた本なので、あとは気持ちが高揚して一日が終わってしまった感じがします。当面、夢を食って生きる男のわたくしです。
 
 そう言えば、帰りがけ、「文章が長い、短く切りなさいよ」とアドバイスを頂戴しました。先日も、廿代の文章を書き改めたのだけれど、自分でも「これじゃ、わかっんねぇ~」と云う嘆息の後、赤面。さぞ、思い上がった書きぶりだったのですね。こういうことは、長く続けていると分かって来るものです。それでも図書館の本を開くとよく借りてもらっているらしい。ボクの意図は伝わっているのか心配になってきました。
 3月8日のシンポジュウムはわかりやすく解説することを心がけます。 とりわけ、伏見先生の王昭君の琴曲「昭君引」は聞き物です。物語研究者のみならず、漢詩、和歌、説話に関心のみなさん、どうぞおいで下さい。
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探しもの。

 ひたすら原稿を書く。一分一秒も惜しい気もする。そんな中、どうしても必要な論文が二つ。今度のシリーズも自分で解題を書く論文は自分の蔵書からと言うことで、すでにコピーを取ってもらって返送してもらい、本棚に帰ってきています。解題を書く際に、それぞれの著者の思考のプロセスを辿るのに、初出一覧を参照しながら、あっちを読んだりこっちに戻ったりを繰り返しつつ、決められた分量で解説と参考文献を書き込むのです。先月書いた巻の文はちと長すぎたので、あとの二巻は規定通りに収めるつもり。一日二論文ずつ。三月頭には終えるでしょう。あとは、多忙な入試業務で忙殺されている相方の先生の進み具合だけとなりました。
 そんな中、補充すべき論文、月報文章があって、自宅にないのでネットで見つけ出し、大学に出ているという某君に探していただく。ところが…。一本は紛失中、他のキャンパス分にもお目当ての文が入っていないことが分かり、一か八かで某研究室に。たまたま先生がいらしていて、小躍りしたのもつかの間、まず、論文のデータベースの巻号が間違っていることが判明した上に、大事な巻が欠本だと判明…。苦闘しております。
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ひさしぶりのオールナイトニッポン。

快晴、強風につき、研究会は中止となり、終日、原稿の推敲と論文精読。また、15:00からは気になっていた吉田拓郎さんのオールナイトニッポン40周年記念特番を聴く。すっかり聴かない媒体に加え、この時間外にいる予定だったので諦めていたところ、いつぞや携帯ラジオをもらっていたことを思い出して、取り出してみたところ、文化放送もTBSもステレオでクリアに入るのに、ニッポン放送だけはノイズがひどく…。高校生の頃とこれだけは変わらない。なぜなんでしょう…。ご本人は至って元気、相変わらずの毒舌ぶりも健在でした。それにしても几帳面な人。広島のアマチュア時代のレアな音源が中心なのに驚く。自分の名前が読み上げられたところまでエアチェック(懐かしい)した音源まで聴くことが出来ました。自分の出演番組もすべてオープンリールで保存してあったと話していたし…。

 こんなことしていないで、もっとガツガツ勉強していたら人生変わっていたかもしれませんが、これも人生。ボチボチ行きましょう。 
 ただし、……刊行物に関してはガツガツしていると言われている、“わたくし“ですが。

 
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春一番。

 春一番のニュースが届く。激しい突風で電車も止まる勢いの中、西武線沿線の会場ガイダンスへ。交通機関が動かない中、ポスターを見て自発的にやってきた県立高校の女子生徒さんの話を聞き、ボクなりのアドバイスを。頑張っている人を目の前に元気が出た週末のひとこまです。
 
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『訪書の旅 集書の旅』から。

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 快晴。春の兆しの暖かさ。散歩に水泳、そしてデスクワーク。
 高群学説の受容について、ある本の修正具合を確認するために、文庫本と新刊とをつき合わせていたら、いつの間にか、隣りに並んでいた 
 財団法人日本古典文学会編『訪書の旅 集書の旅』貴重本刊行会 1988年
 を手にとって見ていました。時の流れからか、執筆者の多くが鬼籍に入られています。そんな中、池田亀鑑の高弟、松田武夫の回想が目にとまる。昭和五年、東大を卒業して以後の二年間、池田の研究助手となって全国を訪問し、文献を渉猟していたとあり、特に、平瀬本『源氏物語』を調査した帰り道に、「神戸の印度人モデイ氏」の「紀州徳川家旧蔵伝阿仏筆『源氏物語』」の閲覧を願い出たが許されなかったことが書かれてありました。
 この伝本の神戸への流出時期には山岸徳平の回想など諸説あるのですが、松田武夫の回想は池田亀鑑の回想と年代まで完全一致。流出時期などを根拠に東洋大学本は紀州家旧蔵本ではないとする説が否定できることになりました。先月入れた月刊誌の原稿にも加筆させていただきます。
 ※研究助手というのは私設で、池田芙蓉などのペンネームで得た少女小説の原稿料などで賄われていたそうです。後年、池田没後も桃園文庫を守っていた女性私設秘書さんは、池田門下生の就職の斡旋までしていたというから驚きです。ボクも彼女のペン書き書写本は何冊も調査しました。
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妙音沢で捕り物。

 快晴。昨年のブログを確認したら、締め切りもなかったようで毎日散歩したり、ドライブしていたようです。今年は、原稿が押せ押せなのであまり出歩けないのがつらいところ。昨日、ボクの散歩道であり、かつ神聖なる妙音沢近辺に、女装の会社経営者が出没し、学校関係者に捕まったようです。なんたることだ!。
 妙音沢は、今から250年の昔、篤信で知られた杉山の検校がこの沢で居眠りしていたところ、妙音天が舞い降りてきて、琵琶の秘曲を教えたと言う由緒正しき伝説のあるところ。どうせ女装するなら制服ではなく、妙音天の格好でお願いしたいもの。いつも見慣れた光景をテレビで観るのはおかしな気分でした。
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稽古の日。

 快晴。朝から譜面をチェックしレッスンに備えて練習。琴を弾くことは、総合芸術に、格闘技的要素もあるような気がします。そこで再度の宣伝です。
【ご案内】
科学研究費補助金・若手研究(B)「日本文学における琴学史の基礎的研究」
シンポジウム「源氏物語と七絃琴」
日時:2008年3月8日(土) 13:00~17:00
場所:明治大学駿河台校舎リバティタワー8階1084教室
13:00 [開会]
挨拶 原豊二(主宰、米子工業高等専門学校准教授)
悉皆調査完成報告 中丸貴史(学習院大学大学院)
13:10 [研究発表]
①「明石入道と「琴」と「夢」─書かれざる秘史─」笹生美貴子(日本大学大学院)
②「源氏物語の琴と平安漢詩文の琴─詠琴詩との比較から─」岡部明日香(中央学院大学講師)
15:10 [休憩]
15:30 [演奏]
七絃琴 伏見无家(鎌倉琴社主宰)
16:00 [総合討議]
17:00 [閉会]
コメンテーター:上原作和(青山学院女子短期大学講師)
司会・コーディネーター:原豊二
※申込不要・入場無料
※悉皆調査報告書『日本文学における琴学史の基礎的研究(資料編)』、配布予定。
明治大学 駿河台校舎
〒101-8301 東京都千代田区神田駿河台1-1
■JR中央線・総武線、東京メトロ丸ノ内線「御茶ノ水」駅、下車徒歩3分
■東京メトロ千代田線「新御茶ノ水」駅、下車徒歩5分
■都営地下鉄三田線・新宿線、東京メトロ半蔵門線「神保町」駅、下車徒歩5分
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清水真澄著『音声表現思想史の基礎的研究』

 清水真澄先生『音声表現思想史の基礎的研究』の御紹介です。新領域を切り開かれた著作。
 
 本書は、読経僧(経を読む僧)などをはじめとした、日本の古代から中世における読むことを専門とした人々の音声による表現、思想、歴史を探求した本邦初の書。具体的には音声(経読み)という研究領域の提示。音声(経読み)と人々の学問、信仰との関係性や、東アジアの政治と文化の中で音声(経読み)の思想が日本文化に与えた影響を解明する。日本の音声(経読み)文化を学習するための基本図書。
【目 次】
序章 修多羅衆から御読経衆へ/はじめに/大安寺と一切経転読/読む人々/読みと音声研究の展開/本書の概要と目的/結び第一編 音の思想 第一章 法音の伝来/はじめに/仏教東流/最初の経典法音の伝来/五経博士の力/声聞―仏教の受容/結び/第二章 法楽と音の仏たち/はじめに/妙音の思想/安然の求法と夢授/妙音天と琵琶/詩歌管絃と信仰妙音菩薩と音楽得道/結び
第二編 声技の人々 第一章 能読の経読み伝承--道命の時代--/はじめに/音芸「読経」とは何か/中古の道命―その実像/院政期の道命伝承/中世の道命伝承/結び/第二章 能読の系譜--読経僧の自画像--/はじめに/『読経口伝明鏡集』の諸本/能読の系譜/能誉と相承系譜/口伝と史実の間/能読と能説/結び/第三章 能読の世界--後白河院の時代--/はじめに/能読の実像/後白河院の時代/後白河院の近臣と御読経衆/結び/第四章 読む歌謡--読経と音曲--/はじめに/能読の条件/読経と音曲/音曲と学問/音と信仰―『読経口伝』から―/「読経音曲」/結び 
第三編 音の場 第一章 音の潮流--厳島内侍考--/はじめに/瀬戸内海の統合と厳島/都から厳島へ/厳島内侍の世界/歌謡研究の課題/結び/第二章 法会と歌謡--平氏政権下の今様の管理をめぐって--/はじめに/霊所参詣と法会/内侍と今様/神主と持経者/結び/第三章 『平家物語』生成伝承と書写山/はじめに/平家琵琶の形成/書写山と能読の世界/書写山と読経伝承/読経伝承と平家供養/書写山と伝承の展開/結び
第四編 音の伝承 第一章 声技の思想--引声の系譜--/はじめに声技の創成伝承/引声の由来/園城寺の声明/長声頭職の相承/結び/第二章 音の相承--妙音院師長伝承の流域--/はじめに/声技の創成/音の学問/相承と流派/妙音院流声明の諸問題/住吉明神と琵琶/結び/第三章 音の信仰--妙音天をめぐる人と場--/はじめに/妙音天信仰の由来/『右記』の所説/妙音天信仰の形/妙音天の所在/妙音院師長の後裔/結び/第四章 音と権力--河海と琵琶--/はじめに/仁和寺伝来の『渓嵐拾葉集』/縁起の集成と弁才天信仰の展開/西海の覇者/結び
終章 音の力


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高群逸枝と歴史学者の政治性。

 快晴。「歴史と文化との交差」の巻の解題を書く。栗原弘さんの一連の高群逸枝研究に言及し、歴史学者の政治性に筆を進めたところで、書けなくなる。
 書けないときは、気分転換にしばし散歩し、うたた寝。
 なかなか手強い課題を抱えてしまいました。
平安時代の離婚の研究―古代から中世へ平安時代の離婚の研究―古代から中世へ
(1999/09)
栗原 弘

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平安鎌倉室町家族の研究 (1985年)
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市会議員選挙。

 快晴。勉強会二日目。頑張ってこの日の全予定分を読了。担当者さん達の集中力に感心する。
 今日は、在住の市議会議員選挙の投開票日でもあったようで、ともあれボクも投票。今回は定数削減と世代交代期らしく、狭いボクの家の路地にまで辻説法なさっていた候補者さんもありました。中に母校の政治学科出身の女性候補者さんがおり、広報にも目を通してみました。ボクより一回りも若いのに頑張っている人もいたものだ、とこちらも感心。無事当選を果たしたようです。
 90年代前半の大学入学者は入試そのものが激戦だったこともあって、優秀な人が多い気がします。
 「後世畏るべし」ですね。

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