物語学の森 Blog版 枕草子の巻
五節句を復習
2018-02-20 Tue 06:08

 火曜日は古典講座三連投。2月20日は、旧暦睦月五日と言うことで、これに備えて五節句(人日(じんじつ)・上巳(じょうし)・端午・七夕・重陽)を復習。特に、上巳は「人形(ひとがた)」「切麻(きりぬさ)」の実物も用意。
 近代日本は、明治5年12月の陰暦から太陽暦への変更に伴って、この五節句も廃止された由(《五節を廃止する布告》 明治6年(1873年)1月4日 太政官布告)。

 当日ですが、高輪道往寺で19時より『源氏物語絵巻』を講じます。お時間のある方はどうぞ。
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学問始め
2018-01-09 Tue 07:37
 春先までに数本の論文が公刊される見通しで、徐々に校正刷りが届く。7日は勉強会始めの『枕草子』。江戸時代の『春曙抄』『磐斎抄』から『解環』『全注釈』、『講談社学術文庫』までを検討する。膨大な解釈研究史の蓄積を検討しています。

 参考 田中重太郎と萩谷朴

 抱えている原稿は、夏の大会印象記。10年前の執筆メンバーに依頼したと側聞するので、回顧と展望を兼ねて。10年前のはかなり刺激的な批判でしたが、お役ご免とはならず、再登板と相成りました。ただし、当時と方針が変わり、問い合わせがあれば、外部に公開しているので、抑制気味に。参考に、有精堂の「古典と近代文学」の座談会を再読中。

 「僕が僕であるために、そして、神話を昔話にしないために。年間テーマ 「古典(学/知/教育)」によせて」「物語研究会会報/第37号」物語研究会、.2007年3月31日。
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藤原定子の出家に関する文献二つ
2017-11-08 Wed 06:38
 藤原定子の出家に関する文献二つ。「御鋏して御手づから尼にならせたまひぬ」と類型的な表現のみ。

『小右記』長徳二年(996)五月二日条  
 中宮権大夫扶義(源)云、昨日后宮乗給扶義車 懸下簾、(略)、捜検夜大殿及疑所々、放組入・板敷等、皆実検云々、奉為后無限之大恥也、又云『后昨日出家給』云々、『事頗似実』者。

『栄華物語』巻五「浦々の別れ」
師殿(藤原伊周)は筑紫の方なれば、未申の方におはします。中納言(藤原隆家)は出雲の方なれば、丹波の方の道よりとて、御車ども引き出づるままに宮(定子)は御鋏して御手づから尼にならせたまひぬ。内には、「この人々まかりぬ。宮は尼にならせたまひぬ」と奏すれば、あはれ、宮はただにもおはしまさざらむに、ものをかく思はせたてまつることと、思しつづけて、涙こぼれさせたまへば、 忍びさせたまふ。『昔の長恨歌の物語もかやうなることにや』と、悲しう思しめさるることかぎりなし。①250~251頁
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次は古代の麻薬と音楽について書きます。
2017-06-26 Mon 07:48
 『枕草子』「九月ばかり」「七日の若菜」の輪読報告を終える。次は来月末締め切りの「古代の麻薬と音楽」について書きます。ぼちぼち資料をリサーチ中。
  我が家の周辺、今、日本で最も有名な議員さんのピンクポスター、あちこちで剥がされ始めました。隠れ入院ではなく、本格的な心の治療と、人として、最低限のモラルの再構築もお願いしたい。家族のために。

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『枕草子』「有明の月」の定義。
2017-05-01 Mon 06:56
『枕草子』
  月は、有明の、東の山際に、細くて出づるほど、いとあはれなり。<集成・第二百三十五段>

 「有明の月」は陰暦16日以降の月の謂で、必ずしも明け方過ぎ、日の出以後である必要はなく、「夜深き有明の月」なる表現も存在する。ところが、辞書的には、

  陰暦十六夜以後の月。夜が明けても、なお天に残っている月。ありあけ。ありあけの月夜。『日本国語大辞典第二版』

とあるように、「夜明け」に月が残っているのは必須要件と書かれている。ところが、先の『枕草子』の用例は、「東の山際」だから、朝に月が登らなければならない。以下、『枕草子』に適合する「有明の月」の月出入、日の出の時間を示す。

│ 2015 月出(方位) 月入(方位) 月齢 日出(方位)-旧暦換算)10月│
│10 7 (旧暦8 25) │0:35(93) 13:41(264)│ 23.8│5:55 (95) │
│12 8 (旧暦8 26) │1:37(98) 14:14(260)│ 24.8│556 (96) │
│12 9 (旧暦8 27) │2:24(79) 15:31(279)│ 25.8│5:57 (96) │
│ 2016 月出(方位 月入(方位) 月齢 日出(方位) -旧暦換算)9月│
│926 (旧暦8 26) │1:37 (88) 14:02 (270 )│24.4│5:48 (91) │
│927 (旧暦8 27) │2:31 (92) 14:34 (265)│16.9│5:49 (91) │
│928 (旧暦8 28) │3:25 (97) 15:05 (261)│17.9│5:49 (92) │

 となると、小林賢章氏『「暁」の謎を解く-平安人の時間表現』角川選書、2013年が引用する
 顕昭『顕秘抄』
 「いさよふ月」
 下旬をばおしなべて有明、おほかた十四十五日より月のいらぬさきに、夜のあくるをばみなありあけの月といふべかりけれど、くはしくいへば二十日の後をいふべき也
 
 と、「夜明け」を必須要件とせずに、陰暦下旬の「月」をいうものと解するのが穏当な見解となる。

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