物語学の森 Blog版 竹取物語
物語学の森 Blog版
このBlogは、私が物語研究の途上で出会った様々な発見や、物語をともに学ぶ人々との出逢いを綴ったものです。ごらんのみなさんにも物語文学の深遠なる森の如き世界の一端をお知りいただければ幸いです。
古活字十行甲本『竹取物語』 by DK@竹取物語 氏
 DK@竹取物語 氏による古活字十行甲本『竹取物語』 本文データ。小学館の全集・完訳・新編全集の底本にして校注者の架蔵本でもある。作成者は理系大学3年生のとのこと。この才能、後生畏るべし。
2017-10-22 Sun 06:15
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未紹介の『竹取物語絵巻』のことなど。
 『竹取物語絵巻』は、電子公開されたり、書籍化されたものもかなりあるものの、まだ知られていない絵巻多数。今年に入って大学所有の『竹取物語絵巻』の存在をふたつ知ったところ、その一本が10月23日~11月26日、日本大学文理学部資料館展示『王朝の物語展』に出品されるとのこと(この絵巻は詞書なし)。『竹取物語』写本各種、有朋堂文庫本の註釈のもととなった『宇津保物語新治』等々、が出品される予定。
 
2017-10-04 Wed 06:03
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「かたちたくみ」の太氏書入本『竹取物語』


twitterで『竹取物語』の本文研究の成果を呟いておられる@tktrlさん。以下のような問題点を指摘されています。さっそく東海大学桃園文庫蔵の転写本を開いてみたところ、やはり「(朱)かたち/匠」(本文8行目)。『かぐや姫と絵巻の世界』本文は、流布本により校訂したもの。南波浩『校異古本竹取物語』(ミネルバ書房、1953年-底本「新井本」)も、本文は「かぢ匠(20)」と校訂し、新井本、三手文庫本が「かたちたくみ」であったことが報告されています。
 
 頭注(20)「(かたちたくみ)(底本、三)「うちたくみ」(神、正)「かちたくみ」(諸本)諸本に従った」

『竹取物語』古本系統本文研究は吉川理吉(龍谷大学)、中川浩文(龍谷大学)、南波浩(同志社大学)と京都系の学問の感があったものの、現在は流布本一辺倒になっていることは周知の通り。修士論文指導の際、萩谷先生は「契沖の学問は、国学者の中でもっとも確かなもの」「南波先生は、学問も人物も本物の方」。中田校本に誤りがあることを申し上げると「中田さんは(お酒を)呑むからなあ」との仰せがあったことを、これを書きながら思い出しました。

中田氏の校異篇p36、「〇かちたくみ―かたちたくみ【似】」とあって、上原先生も「かちたくみ」(注:三手文庫本文「かたちたくみ」、かぐや姫と絵巻の世界p32)とされている。三手文庫本移写本の翻刻(吉川氏)を見ても「かたちたくみ」とある。これは首肯される

ところが、新井氏著の翻刻では「かたちたくみ」(本文篇p9)であり、南波氏翻刻も「かたちたくみ」(全書p83)、中田氏校本でも「*鍛冶―かたち(古本) 諸本により訂す」(古本竹取物語p7)とあり、中田氏の調査結果が矛盾している。校異篇のミスと判断したいが、原本影印の刊行が待ち遠しい


2017-09-25 Mon 06:36
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同窓会講演会


 青山学院女子短期大学同窓会国文学科会の講演会を終える。役員のみなさんにはたいへんお世話になりました。ありがとうございました。
 井の頭線京王線と乗り継いで、日大文理学部で物語研究会例会に合評会の途中から参加。記憶のないくらいご無沙汰の同世代の友人が参加。浦島さんは二次会ですっかり人気者となっていました。
 吉祥寺からバスで帰宅途中、大泉学園北口付近で交通事故のため道路が塞がり、長時間停車。雨で視界が悪かったのか、ぶつかることが想定できない位置にふたつの車がありました。雨の中の事故処理、ご苦労様でした。

2017-09-17 Sun 09:04
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『竹取物語』の「笑ひ」
 『竹取物語』の「笑ひ」は以下の通り。流布本で4例。新井本で3例。①は安堵の笑み、②は冷笑、③は攻撃的な蔑笑で漢文訓読調。

鍛冶匠ら「この宮より賜はるべきなり」といふを聞きて、かぐや姫、暮るるままに思ひわびつる心地、笑ひさかえて、翁を呼びとりていふやう「まこと蓬莱の木かとこそ思ひつれ」

②「『大伴の大納言殿の人や、船にのりて、龍殺して、そが首の玉取れり』とや聞きし」と問はするに船人答へて云はく「あやしき事かな」と笑ひて「もはら、さるわざする船もなし」

③家にすこし残りたりける物を、龍の玉取らぬ者どもに賜びつ。これを聞きて、離れたまひし元の上は、腹を切りて笑ひたまふ。糸を葺かせ作りし屋は、鳶、烏の、巣にみな食ひ持て往にけり。

石上中納言貝をえ取らずなりにけるよりも、人の聞き渡らむ(流布本=笑はむ)ことを日にそへて思ひたまひければ、ただに病み死ぬるよりも、人聞きの恥ずかしくおぼえ給ふなりけり。


2017-09-13 Wed 08:01
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