物語学の森 Blog版
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さいたま宇宙劇場プラネタリウム 仲秋の明月特別投映・「月に詠えば」
2018-09-22 Sat 08:01
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  さいたま宇宙劇場プラネタリウム 仲秋の明月特別投映・「月に詠えば」(9月24日15時~15時45分)の監修者として、通しで映像と台本読みの最終リハーサルを行う。
 写真は、今年でちょうど千年前の1018年10月15日の夜に詠まれた藤原道長の和歌と国会図書館蔵竹取物語絵巻。 道長の和歌を照らす月は、新暦1018年11月25日、一千年前の当日夜の月を再現。月の満ち欠けや旧暦(太陰暦)との関係、月に因む数々の和歌の紹介、さらには、8月15日の夜、絵巻からアニメーションのかぐや姫が飛び立ち、月へと帰ってゆきます。お楽しみに。大宮駅徒歩1分。多くの方の来場をお待ちします。

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池田亀鑑の実業之日本社入社は大正13年4月。
2018-09-19 Wed 06:20
  度々引用する長野嘗一「小説家・池田亀鑑 2」「学苑」昭和33年6月では、池田亀鑑の実業之日本社入社時期を、一高講師就任(昭和2年4月)とほぼ時を同じくしてとあるが、実際には、大正13年4月であることが、以下の義兄の岩下小葉判の文章から判明した。

 昭和二年四月から一年間、亀鑑は第一高等学校の講師を嘱託された。ほぼ時を同じうして正式に実業の日本社員となり、「婦人世界」の編集を委託された。  長野嘗一「小説家・池田亀鑑 2」「学苑」昭和33年6月

 御挨拶                           岩下小葉
 
 鹿爪らしい御挨拶は抜きにいたします。
 皆様と圓く環をつくつて座談をしてゐるつもりでお話いたしませう。
 扨て本號から、急に小倉君に代つて私が本誌を編輯することになりました。
入社以来といつて好いか、學校卒業以来と申して好いか、私は殆ど十五年の間、ずつと子供の雑誌――主として少女の友の編輯にのみ、たづさはつてまゐりましので、急に皆様のやうな大人の前に出ると、顔が真つ赤になつて、どぎまぎしてしまひます。

 尚、この機会に本誌の編輯長として、新たに入社された池田芙蓉君を御紹介申し上げておきます。池田君は東京高師を出て一年の間女子学習院に教鞭を取られ、尚帝大文學部において、文學哲學に研鑽をつまれた方です。年歯未だ而立に達せざる新進気鋭の士、今後の本誌は、同君の力によって、必ずや光彩陸離たるものになると存じます。どうかお喜び下さい。

婦人世界 第19巻6号 大正13年6月 (発行は5月1日)


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北大路春房(池田亀鑑)「香炉の夢」「婦人世界」昭和2年5月号、実業之日本社刊
2018-09-18 Tue 06:50
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   北大路春房(池田亀鑑)「香炉の夢」第16回「婦人世界」昭和2年5月号、実業之日本社刊を入手(画・高畠華宵)。この小説は、この号で中絶。「婦人世界」執筆リスト。長野嘗一が下記で述べているように、編集長を更迭されたための中絶であろうか。読者欄では、3月号も休載であったらしいことが分かる。

 長野嘗一「小説家・池田亀鑑 2」「学苑」昭和33年6月
  5 あまたの筆名のもとに
 「香炉の夢」(北大路春房・婦人世界1月―昭和2年5月)、「乱刃の巷」(青山桜洲・日本少年、1月-12月)、「栄光の騎手」(村岡筑水・前述)、「炎の渦巻」(青山桜洲・少女の友、1月-12月)、「青い小蛇の死」.(闇野冥火・少女の友1月-12月)の五大長篇をはじめ、「前世紀の怪魔境」(関野冥火・日本少年・4月-7月)の中篇、それに読切りの短篇を若干、五つのペンネームをフルに動員して、千手観音もどきの大活躍である。
 「香炉の夢

  6 覆面編集長

  昭和二年四月から一年間、亀鑑は第一高等学校の講師を嘱託された。ほぼ時を同じうして正式に実業の日本社員となり、「婦人世界」の編集を委託された。そういう名前はなかったが、事実上の編集長である。(房子夫人談)彼はこれまでも岩下小葉を通じて、この社の雑誌の編集にはたびたび智慧を貸してきた。それはほとんどことごとくが図に当った。増田義一社長はその才に惚れ込み、小葉を通じて彼の入社を懇請したのである。
 亀鑑が「婦人世界」の編集に当ってまっさきに断行したことは、いかにして婦人の隠された興味と関心とを洞察し、これに一歩先んずるかということであった。今日の女性と違って当時の婦人は口が重い。かくかくのことが知りたい見たいと思っても、人前をはばかってそれを口にする勇気がない。亀鑑は自分の知れる限りの女性を対象にして、それがどんなことであるかを考えてみた。そうして得た結論は、次の三つの項目であった。
   恋愛  結婚  性
 この三つこそは、いかなる世いかなる階級の婦人でも、永遠に最大の関心事であることを看破した。ただ男と違って女性には、これらを露骨に下品に語ってはいけないことをも知っていた。次にはこの三つを品のよいオブラアトに包む手段を考えた。はなたれた矢は的を射た。亀鑑のこの慧眼がみごとに女性の心臓を見ぬいたのだ。計画は着々実行にうつされた。
 恋愛――――名流婦人の恋愛事件などがあると、彼はただちに特派記者を派遣して取材させ、これをデスクで適当に編集して、次号の特別記事とする。石原純・原阿佐緒の恋愛事件がおきたとき、彼は野口武雄を臨時特派員として宮城県に出張させ、その記事をとっていち早く次号に組み込んだ。このときは婦人世界が一番乗りで、他社を出しぬき、その特別記事は大きく世間の視聴をひいた。社長は大喜びで、野口武雄は功績によって実業の日本社に入社し、日本少年の編集をゆだねられる身となった。人を見ぬく亀鑑の明は骨髄に徹するものがあったという。(野口氏談)
 結婚――――すでに結婚して社会的にも名を成した人々に、「こんど結婚するならどんな人が望ましいか」こんなアンケートを求めて、その解答をずらりと並べたことかおる。異性かどんな相手を求めているか――――これは年頃の男女がつねに関心することがらである。それを亀鑑は明敏にも洞察して、こういう企劃をしたのである。人はだれでも雑誌の目次を開いてみて、こういう肩のこらない安直で軽快な記事にはまっさきにとびつくものである。はたしてこれは多くの読者に好評であった。解答者に名の売れた名士ばかりを選んだところに、スマートで品のよい軽快さがあるではないか。
 また、「女性の悩みの相談」や、「誌上結婚媒介」という特別欄をもうけて、みずから覆面の解答者となったこともある。「結婚媒介」は開設のころはなかなかに好評で、さまざまな男女が自己の身の上と希望を誌上に公表して相手を求めたが、こういう企劃にはえてしてまやかしや遊び半分の投書がつきもので、それにいや気がさしたのか、途中でこの欄は廃止された。
 性――――セックスに関する記事ほど、ジアナリズムがあつかいにくいものはない。だれもが大きな関心をよせ、その知識に餓えておりながら、下手にあつかえば猥せつになるし、一歩ふみはずせば検閲にひっかかる。男子はそれでもさほど不自由は感じないが、女子には正確な知識を伝えてくれる源が少ない。そこで亀鑑は医者や名流婦人に依頼して、毎号セックスに関する特別記事を組むことにした。「破瓜期の少女の生理」・「処女の衛生」・「純潔の尊さ」・「結婚初夜の心得」・「妊娠と安産」――――こういう特別記事が、当時の婦人世界にはほとんど毎号組み込まれているのである。いまならこんな記事は珍しくもない。ヴァン・ヴェルテやキンゼイ報告がベスト・セラアになる現在と当時とは、根本的に事情が違う。このねらいは文字通り図星を射た。執筆者が専門の医者や名流婦人でまじめに書いているのだから、警視庁も手が出ない。読者は争ってこうした記事にとびついた。なかにはこれを読むために婦人世界を買うものすらあった。当時は性教育の必要性がまじめに論ぜられ出したころであって、結婚前の娘たちへの教科書として、雑誌を買う母親もあらわれた。
 することなすことが図に当たったなかに、一度だけ失敗したことがある。高田義一郎に「妊娠調節の方法」という記事を書いてもらったとき、それが当局の忌譚にふれて発禁になった。でき上った雑誌をことごとく焼きはらい、その責任を感じて亀鑑は一時引退した。
 ところが編集者か替ると、雑誌の売行きは目に見えて落ちた。そこで再び彼の出盧が要請され、もとの椅子に返り咲くという一幕があった。(皓氏談)


 
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稲本万里子著『源氏絵の系譜-平安時代から現代まで』
2018-09-17 Mon 05:29


 著者から拝受。ありがとうございます。「週刊朝日百科」の連載を一冊にまとめられたという。姉妹編の『すぐわかる源氏物語の絵画』(東京美術、2009年)は、読売カルチャーのサブデキストで、先週も「常夏巻」の源氏絵に源氏の調理した「鮎、いしぶし(=カジカ)」を見つけて、みなさんと楽しんだところ。

 いと暑き日、東の釣殿に出でたまひて涼みたまふ。中将の君もさぶらひたまふ。親しき殿上人あまたさぶらひて、西川よりたてまつれる鮎、近き川のいしぶしやうのもの、御前にて調じて参らす。例の大殿の君達、中将の御あたり尋ねて参りたまへり。
 「さうざうしくねぶたかりつる、折よくものしたまへるかな」
 とて、大御酒参り、氷水召して、水飯など、とりどりにさうどきつつ食ふ。

 徳川・五島本から、土佐、狩野派、さらに谷崎、橋本竈変源氏までを見開きで解説してあり、源氏絵の系譜を総覧できる。
 とくに注目したいのは、「描かれなかった女三宮」(14-15頁)。部屋の端近くの尼は「三重襷文の裳」を着けていることから、これを女三宮ではなく侍女(女房)、立ち姿の尼もまた女房として、「鈴虫巻第一段」は「女三宮」不在であるという説。 この説は『よみがえる源氏物語絵巻-全巻復元に挑む』日本放送協会、2006年の指摘が最も早い。著者はNHK名古屋「よみがえる源氏物語絵巻」取材班とあるが、実は昭和文学が専門のわたくしの知人が書いたもの。たまたま教員室でこの本の話になったとき、プロジェクトX担当の御身内の紹介で、これらの台本を書いておられた縁から、『よみがえる~』の企画に関わり、あちこちに足を運んで取材したとの話を伺った。これが2010年のこと。
 ところが、近年、この説には、「裳」があるからこそ、尼姿の女三宮なのだ、という異論が出され、説のご当人からも「精読して再考するように」との仰せを賜ったばかり。倉田実「裳を着けた尼姿の女三宮─『源氏物語絵巻』「鈴虫㈠」段から」『古代文学論叢 第二十輯  源氏物語 読みの現在研究と資料』]武蔵野書院、2015年、絵巻で見る 「平安時代の暮らし 第27回 『源氏物語』「鈴虫(一)」段の「念誦堂の女三宮」を読み解く」、これを受けての久下裕利「宇治十帖と国宝『源氏物語絵巻』」『知の遺産シリーズ⑤ 宇治十帖の新世界』武蔵野書院、2018年もある。
 稲本氏の本には、「裳」と「細長」の図もあり、これらの説を意識なさっておいでの構成かもしれないが、さらなる補説をお願いしたいところ。また、このことが議論の根拠になっていることは、『よみがえる~』の著者はご存じないかもしれないので、今度お会いしたら、お話ししたいと思っている。

 『源氏物語絵巻』詞書の金銀箔のこと


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古琴と中国琵琶のDVD完成間近。
2018-09-14 Fri 06:10


ジャケットも文字通りラフな素案(下)を活かして頂き、瀟洒な構図。これらの映像化は、前作の科研費DVD(非売品)を除けば、少なくとも本邦初。本場中国でも教則用以外未確認。しばしお待ちあれ。リージョンオールのため、日本製DVD再生機での再生、もしくはパソコンなら世界のどこでも視聴可能。この点、ご注意下さい。
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